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解説:脱炭素化とインフラ 「再エネと蓄電池をかしこく使う」

世界規模で進む脱炭素化の波を受け、再生可能エネルギー(再エネ)の普及が拡大しています。
今回はその背景や電力業界の状況について解説します。

高まるエネルギー需要と社会課題

IoTやAIなどを活用したデジタル化の加速に比例して、それらを動かすためのエネルギー需要は拡大しています。
同時に、世界規模で脱炭素化が求められており、CO2を排出しないクリーンエネルギー、いわゆる再エネの普及も進めていく必要があります。

「日本の電源構成は現在約7割が火力発電で、CO2などの環境問題だけでなく、枯渇が懸念される化石燃料への依存、燃料の自給率など課題が多くあります。
そこで、2050年カーボンニュートラル実現に向け、メガソーラーや風力発電など大規模発電設備の導入、工場など需要家における再エネ設備の導入、地域が連携したスマートシティ(脱炭素地域)づくりなど、再エネ普及拡大に向けたさまざまな取組が行われています。
再エネ主力電源化への貢献だけでなく、電気料金の抑制や、災害など緊急時の電源確保としても強みがあり、多くの関心を集めています。

電気の安定供給に必要な需給バランス

再エネは「消費後に定常的に補充が期待できるエネルギー」と定義されています。
その中でも自然現象から生み出されるものは「自然エネルギー」に定義されますが、よく知られる太陽光や風力などは天候に左右されやすく、安定したエネルギー供給が難しい側面があります。

また、発電量の不安定さは運用の難易度も押し上げます。
電力供給にはつくる量と使う量を同じにする、需給バランスが重要になります。しかし、発電量が不安定だとその調整が難しくなってきます。
需給バランスのミスマッチは停電にもつながる恐れがあるため、再エネ導入と同時に電力系統の安定化も検討していかなければなりません。

蓄電池とEMSを需給調整に活用

再エ普及拡大と系統安定化の両立における課題解決として期待されているのが、蓄電池とエネルギー管理システム(EMS)を活用してエネルギーをかしこく使う技術です。
蓄電池が無い場合、例えば太陽光などで昼間に大量に発電ができても、貯めておくことができず余剰電力を無駄にしてしまいますが、蓄電池を併設することにより夜間などに使い回すという運用が可能になり、再エネ率を高めることができます。
さらに、電力取引市場に対応できるEMSと組み合わせることで、需給バランス維持に必要な調整力の拠出も可能となり、系統安定化へ貢献できると同時に、収益向上も期待できます。

当社は受変電設備製造事業の中で長年培ってきた系統解析・連系技術を活かし、実績に基づくシステムエンジニアリング力で、お客様の条件に合わせたシステム構築を行っています。
また、変化する電力市場で、新たな価値をご提供すべく、住友電気工業、日新システムズと共に、「アグリゲータから需要家・蓄電所までエネルギーサービスを包括支援」する取り組みを展開しています。

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<関連リンク>
再エネ普及と需給バランス両立 アグリゲーションシステム
住友電工グループのエネルギーソリューション(PDF)