電気の旅 ~電気はどうやってみんなのくらしに届く?~
くらしの中でなじみのある「でんき」はおそらく「電気」でしょう。
しかし当社の社名のように「でんき」には「電機」もあります。
電機は「電気機械」のことを指しており、電気を使う機械…つまり「電気」ありきの「電機」です。
今回は、くらしの中に届くまでどのように電気が作られ送られるのかについて、「電気」の旅を紹介します。
電気をつくる ~発電~
そもそも電気はどのようにしてつくられるのでしょうか。身近な発電機としては、自転車のライトが分かりやすいでしょう。自転車のペダルをこぐ力を電気に変換しています。
電気をつくるエネルギー源はさまざまですが、原理としては磁石を回転させ、磁石をとりまくコイルに電気を発生させていることは同じです。
火力も、風力も、水力も、地熱も、力をエネルギーに変換しています。
ただし、昨今注目を集める太陽光発電は例外で、光エネルギーを電気に変換する特異な方式で発電を行っています。
電気を送る ~送電~
電気は、山奥など都市から遠く離れた場所にある発電所から数百kmもの旅をします。
発電所の発電機で発生する電気は、おおよそ電圧2万ボルト、電流3万アンペア。
3万アンペアの電気を流す(送電)には直径15cmもの巨大な電線が必要で、このような電線(送電線)を何百kmも引っ張ることはできません。
そこで、発生した電気をまず変圧器(トランス)によって、例えば電圧は10倍、電流は1/10に変えてから送電線につなぎます。
電圧は非常に高くなりますが、その代わりに電流が減少し電線の直径を細くすることができるのです。
そうして送電線に乗った電気は山を越え、野を越え、私たちの近くまでやってきます。
電気を配る ~配電~
私たちの近くまで届いた電気は何十万ボルトもの高い電圧で、そのままでは危険で使えません。
そこで再び変圧器により、今度はそれぞれの使い方に適した電圧に下げて各所に分配します。
この働きをするところが変電所です。
何段階もの変電所(1次変電所、2次変電所、配電用変電所)を経て順次電圧が下げられ、工場やビル・電鉄などへ配電線を通して分配(配電)され、最後は電柱上にある変圧器で100ボルト、200ボルトに下げられ各家庭に配電されます。
今手元でこのページを見るために使われている電気もまた、この長い道のりを旅した電気なのです。