女性育休取得者座談会

当社は女性活躍推進法に基づく「えるぼし2段階目(2つ星)」や仕事と育児の両立支援に関して「プラチナくるみん」の認定を取得しています。
両立支援制度は実用性が重要。どんな制度があるのか、実際どんな働き方をしているのか、これから育休を取得する社員と実際に育休を取得した社員で思いを語り合いました。

  • L:電子線照射装置の営業担当(オンライン参加)

  • K:人材育成・研修担当

  • S:電力設備関連の
    ソフトウェア開発担当

  • M:人事担当

CROSS TALK

育休を取るまで

育成K

私はまもなく産休に入ります。キャリアサポート面談で会社の制度の話も聞きましたし、引き継ぎも終わって準備完了という感じですが、お二人の時はどうでしたか?

人事・人材開発部のスタッフが育児・介護などで休職する社員に面談を行うしくみ。制度や復職の流れを説明し、復帰後の面談では両立やキャリアの相談にのる。

開発S

私が産休・育休を取ったのは8年前で、サポート面談制度利用の第一号でした。休む前に面談があって、復帰までの流れや使える制度を教えてもらったので不安はなかったですね。

営業L

私はその1年前だったので、まだそのサポートのしくみはなかったですが、最近育休を取得した周りの人に聞くと、「面談で話を聞いて不安が軽くなった」と皆言ってますね。自分は職場に子育て中の女性の先輩がいて話が聞けたし、社内のウェブサイトで情報も見られたのであまり困りませんでした。

育成K

面談は心強いですよね!

営業L

産休に入る前、私は営業職として海外のお客様も担当していたので、どうなるか心配していましたが、後輩が「元気な子供を産んできてください」と声をかけてくれて仕事も引き継いでくれました。メンバーに負担がかかることになりますが、自分ではどうもできないのがもどかしかったですね。復帰したときにはその人から大歓迎されました。

開発S

私も、先輩が仕事をしっかり引き継いでくれて問題なく休めました。育休中は職場の人が個人的に近況も教えてくれていて、復職も特に困ることなくという感じでした。育休を2回とっていますが同じ感じですね。職場が同じということも大きいと思います。

育成K

私はこれから産休に入りますが、入社したての頃に「産休・育休の制度を使う時には、職場の人たちのことを考えて引き継ぎをしっかりとしないといけない」と説明を受けたのがずっと頭に残っていて、計画的に引き継ぎの資料などを作りました。

人事M

Kさんの上司からは、「引き継ぐ人のことを考えた丁寧な資料が作られていて安心しました」と聞いています。

育成K

そうなんですか!ありがとうございます。
CROSS TALK

育休中の生活

育成K

育休中の生活はどんな感じでしたか?

営業L

最初の2~3カ月は大変でした。何をしても泣き続けるときもあり、ずっと抱っこしていたりして。夜にそんな状態でも夫が寝ているので腹が立ったこともありました(笑)。その時は抱っこを代わってもらいました。おかげで体力、特に腕力は鍛えられました。

開発S

赤ちゃんはしゃべれないけれどちゃんと聞いているから、話しかけてあげてと言われたので、世話をしながら話しかけていました。「おむつ替えるね」とか。そのためか、上の子がとてもおしゃべりになりました。コミュニケーションの大事さを改めて感じました。

営業L

最初はしんどいことも多かったけれど、離乳食を食べ始めてからは、作った分ちゃんと食べてくれるので、育児の楽しさを感じるようになりました。自分のやったことに反応があるというのは仕事で感じるやりがいにも通じると思いました。

育成K

ご主人との家事分担はどうされていました?

開発S

夫は家事が不得意なので、子供と遊ぶ係を頼みました。二人で相談して、人がやらなくてもよいことは機械に任せてその分子供と過ごそうということで、ロボット掃除機、食洗器、ドラム式洗濯機などを買いました。

営業L

うちは食器洗いや洗濯はある程度やってくれました。私が仕事に復帰した後は、保育園の送り迎えは「どっちが行くか」でバトルがありましたが、近所のママ友にお願いしたり親の力を借りたりして乗り切りました。海外出張の際に義母が来てくれたのは大変助かりました。

開発S

うちは保育園に入れるために引っ越しました。
一同
ええっ?保育園事情がそんなに厳しかったんですか?

開発S

いえいえ、気に入った園の近くに住もうと思って。引っ越し好きだったので「じゃあ引っ越ししよう」という感じでした。今では定住することの良さを実感しています(笑)。

営業L

今思うと、育休中は、仕事のことを考える余裕もなく育児に必死で、記憶もあまりありません(笑)。育児に専念できる期間があって本当によかったと思います。
CROSS TALK

復職後の仕事と生活の両立

育成K

復職後、担当の仕事に変化などありましたか?

開発S

私は育休前と変わらず開発の仕事でした。

営業L

営業は出張や残業もあるので、同じ仕事は無理だと思っていましたし、復帰後1年間は営業のサポート業務をしていました。上司は「営業の仕事を無理してやらせなくても」と配慮をしてくれたのですが、当時は「このままでいいのか」という不安と、そうはいっても育児短時間(時短)勤務中なので営業に戻ってもしっかりやりきれる自信もなく葛藤していました。

1日の労働時間を通常7.75時間のところ、6時間まで短縮できる制度。当社は小学校3年修了まで利用可能。(法律における所定労働時間の短縮措置等は3歳までが義務、小学校に就学までが努力義務)

営業L

その後、上司から「営業に戻ってみないか」という声がかかり、家族と相談して営業に戻ることにしました。自分が案件を担当できて楽しいし、やりがいがあります。子供もかわいくて、仕事も家庭もどちらにもハリが出た感じでした。上司は男性ですが、共働きで2人を育てている人なので、理解もあり相談ができました。

育成K

上司の理解は大切ですね。

育成K

Sさんも育児時短を使われたんですか?

開発S

復帰半年ぐらいまでは時短を使っていましたが、今は定時勤務です。残業はしないように効率を考えてスピーディな仕事を心掛けています。子供には「ママは仕事ばっかり」と言われますが、「でも働かないとみんな生きていけないよ」って教えていますし、結構理解してくれています。

営業L

今は週2日在宅勤務※1をしているので、子供との時間が確保できてとても助かっています。
同僚からは、会社のベビーシッター支援※2がとても助かったと聞いています。在宅勤務時に仕事に集中できるように頼んだそうですが、まだ社内で知らない人も多いかもしれません。

※1育児・介護・基礎疾患のある人は在宅勤務が可能

※2企業主導型ベビーシッター利用者支援事業と福利厚生サービスを併用して割引を受けられる

人事M

いろいろと使える制度も増えてきているので、もっと社内PRをします。
CROSS TALK

キャリアの考え方の変化

育成K

育休を経験して、キャリアの考え方に変化はありましたか?

開発S

正直、今は子供に手いっぱいでキャリアをどう積むかということは気持ちの上では後回しです。でもずっと働き続けたいと思っているのは変わらないですね。

営業L

私は営業の仕事の幅をもっと広げたいと思っています。子供が大きくなるにつれ、自分のやりたいこと、好きな仕事に時間をシフトしていくイメージを持っています。受注で成果を出せれば評価されるので不安はありません。時短勤務の時には任される案件が限られていて評価されにくいと感じたこともありますが、そこを乗り越えた今は、仕事の案件が増え、出張も対応でき、やりがいがあります。

育成K

私も上司(女性)が育休経験者で活躍しているので、職場復帰が当たり前だと思ってきました。1年近い休みと復職後の時短勤務で、一時キャリアは停滞するように見えるかもしれないですが、活き活きと働くお母さんたちの姿を見ると、育休の間にさまざまな経験を積むことで結果的にプラスになると感じます。

営業L

身近にそういう人がいると本当に心強いですね。私も周りに育休を取得した先輩がいたので話がとても参考になりました。相談できる先輩たちがいて、復帰後も仕事できる環境がとても重要だと思います。今の職場は、出産を経て復帰した女性社員がかなり増えました。

開発S

私は技術系ですが、身近には技術系の女性の先輩で子育てをした人がいないので試行錯誤しています。

人事M

Sさんはまさに女性技術者の両立ロールモデルになっていますよ。

開発S

それは頑張らないといけませんね。

人事M

当社では育休取得者のキャリア支援を目的に面談を行っていますが、このように前向きな声を聞いていてとても嬉しく思います。
CROSS TALK

育休の経験の振り返り・これから働く人へのメッセージ

開発S

当社は会社の制度を活用して、男女関係なく出産・育児の為に働き続けることを諦めないで済む会社だと思います。自分がまわりに助けてもらった分、次の世代を応援していきたいです。

人事M

それは大事なこと。私はマネージャーで部下に育休中の人がいる立場ですが、そういう気持ちは周りの人に必ず伝わって、気持ちよく助けようという輪が広がりますね。

育成K

お互い様の気持ちがあると、職場もうまく回るので、男性の育休取得ももっと増えると良いと思います。

営業L

いつ休んでも周りの人に頼めるように書類を整理しておいたり、進捗を上司にこまめに報告するなど、仕事のやり方も見直すきっかけになります。

開発S

働ける時間が限られる中で、周りの協力を得ながら仕事を進めることは、難しい面もありますが、得るものが本当に多いと思います。

育成K

私はこれから産休ですが、今日聞いたお話で心配なく休めます。復帰後は、育休の経験をめいっぱい使っていろいろな仕事に挑戦したいと思います。

人事M

お互い頑張っていきましょう。本日はありがとうございました。