2019.07.11
ICTを活用して保護継電器の保守点検作業を効率化 ~保護継電器自動試験装置を開発・導入~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)は、増加する受変電設備の保守点検作業に対応するため、保護継電器の点検作業時間の短縮・効率化を実現する「保護継電器自動試験装置」を開発し、2018年4月に導入しました。導入により点検作業が自動化され、現場での作業時間を最大で50%削減しました。

 

近年、お客様からの既存電力設備の有効活用に対する延命・修繕・改造の需要が高まっており、保守点検のニーズが増加しています。その一方で、少子高齢化などの影響もあり点検作業員が減少しており、技術者の確保が問題となっています。当社では、経験豊富な技術者の有効活用と点検作業品質の向上のため、ICTを活用した点検作業の効率化を図っています。

主な受変電設備の点検作業内容は、「遮断器の点検」「保護継電器の点検」「シーケンス点検」で、今回当社はその中で、汎用の測定器材を用いて行っていた、当社製の保護継電器の点検作業に自動試験装置を開発・導入しました。

 

保護継電器自動試験装置導入前と導入後のイメージ
(クリックで大きい画像を表示)

 

導入の効果

1.点検作業の時間短縮化、自動点検でより安全で正確な判定が可能に

自動試験装置を保護継電器試験器に取り付けることにより、試験器の操作が「手動」から「自動」になり、保護継電器の点検作業時間を最大で50%削減しました。また自動操作のため、人の手による誤操作防止となり安全性を確保でき、さらに「目視」確認していた保護継電器のLED表示を、「カメラアタッチメント」で画像処理(自動判定)することで、より正確な測定が可能になりました。

 

(Before)手作業での点検 (After)自動試験装置を使用した点検

 2.人員体制の効率化と有効活用

受変電設備の点検作業は、お客様の電源を停止するため限られた時間での点検作業の完了が必須であり、迅速な作業が求められます。またお客様の機器によって設定や状態が異なることから複雑な操作が求められるため、従来は経験豊富な技術者2名で対応する必要がありました。点検作業の自動化により、作業が簡素化されたため、経験豊富な技術者と経験の浅い技術者での点検が可能となり、人員体制の効率化が図れました。

 

人員体制効率化のイメージ

 

3.報告書作成の効率化

測定値の記入は点検用紙に「手書き」していたものが、データ自動収集により「自動入力」になり、現場から帰社後の報告書作成時間を約7%削減しました。またお客様の点検データの蓄積が可能となり、データを活用することで、今後の点検作業においてさらなる効率化が図れます。これらの効率化の実現により、今後の保守提案(有寿命部品の交換提案、延命対応のための修繕業務、コンサルティング業務)を行うことができ、また夏場の作業の場合、作業時間の短縮化は熱中症対策など、作業員の健康管理にも貢献しています。

 

作業効率化の効果

 

今後は、保護継電器自動試験装置にIoT機能を追加し、試験結果を自動的に送信する機能やお客様のデータベースと連携させることでさらなる効率化を進め、また他社製の保護継電器にも対応できるように開発を進めていきます。今後も、ICTを活用しさらなる保守点検業務の強化を図っていきます。

 

※Bluetooth®のワードマークは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する登録商標です。

 

参考資料

【用語解説】

・保護継電器(保護リレー)

保護継電器とは継電器の一種で、設備外部・内部の事故や過負荷などに起因する電流や電圧の急激な変化を検出し、故障区間を速やかに電力系統より切り離すよう遮断器へ制御信号を送出することで、電気回路・設備を保護する装置です。検出する電気要素や保護対象の設備・回路等により、さまざまなリレー要素があります。

 

【関連リンク】

保護継電器: http://nissin.jp/product/electric/ry/index.html

点検・修繕: http://nissin.jp/product/lifecycle/check/index.html

 

[本件に関するお問い合わせ]

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