中長期計画

2021年度から2025年度までの5カ年を対象期間とする当社グループの中長期計画「VISION2025」を策定しています。 ※本ページは策定当時の情報で掲載しています。

全体像

当社グループは、100年を超える歴史の中で培われた「事業の精神」に基づき、ステークホルダーとの確かな信頼関係構築を「行動の原点」として、多元的な価値軸を持って企業活動を推進し、「社会と産業の基盤を支える企業活動を通じて、環境と調和し活力ある社会の実現に貢献する」というSDGs(持続可能な開発目標)にも通じる企業理念の実現を目指しています。

2021年4月にスタートした新しい中長期計画「VISION2025」では、「多様な価値観が尊重され、チャレンジ意欲を持った活動ができる環境のもと、一人ひとりが社会に貢献している事を実感でき、確かな技術力で持続可能な未来を創造する企業グループ」にさらに生まれ変わることを目指して、「日新一新」の合言葉のもと、ひと・組織・事業の変革に取り組みます。

脱炭素社会の到来や再生可能エネルギーを中心としたエネルギーの分散型電源化、国内の少子高齢化や新型コロナウイルス感染症による働き方の多様化など、さまざまな社会変化をビジネスチャンスと捉え、SDGsを中核に据えた下記の成長戦略とそれを支える事業基盤強化に取り組み、2026年度以降の成長に向けた先行投資も積極的に行い、持続可能な地球環境とあらゆる人々が活躍する社会の実現に貢献してまいります。

生まれ変わった姿に込めた想い

①ひと・組織

「一人ひとりが主役として、特徴・個性・可能性を尊重され、自らの能力を最大限に活かすことで、 働きやすく、挑戦する風土が生まれ、働きがいと自分の成長を感じられる環境になる」ことを目指す「ひと・組織」の視点

②社会貢献・社会課題解決

「世の中の大きな変化として、社会にいかに役に立つかが企業の評価軸として重要視される中、社会に貢献していることを実感することで、今まで以上にやりがい、誇りを持てるようになる」ことを目指す「社会貢献・社会課題解決」の視点

③確かな技術力

「100年続く企業として信頼され続けてきた技術を基に、SDGs等の地球規模の課題を解決する」ことを目指す「確かな技術力」の視点

④持続可能な未来・会社

「持続可能な未来・地球環境の創造に貢献することにより、次の100年も永続する会社になる」ことを目指す「持続可能な未来・会社」の視点

数値目標

売上高 1,600億円
連結営業利益 200億円
連結営業利益率 12.5%
ROA・ROE 10%超
目標配当性向 40%
設備投資額(5年間) 300億円
研究開発費(5年間) 380億円
CO2・温室効果ガス排出率
(2018年度比)
15%削減
(2025年度)
30%削減
(2030年度)
環境配慮製品売上高比率 50%
新製品売上高比率 35%

6つの成長戦略と事業基盤強化

多様な社会変化に対応するために「6つの成長戦略」と「5つの事業基盤強化」に重点をおいて活動していきます。

※1 カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ) ※2 DX(デジタルトランスフォーメーション)

6つの成長戦略

当社のエネルギーソリューション「SPSS(Smart Power Supply Systems)」を中核に据えた4つを含む、6つの成長戦略に取り組みます。

環境配慮製品の拡大

  • SF6ガスフリーに対応した製品の開発・市場投入
  • 電力損失の低減を実現する製品の拡販
  • 絶縁油の生分解性油採用の推進

分散型エネルギー対応

  • 自家消費市場におけるSPSSの受注拡大
  • 直流配電システム製品の早期市場投入

再生可能エネルギー対応

  • 大規模風力・太陽光発電需要の捕捉
  • 広域連系プロジェクトへの取り組み強化

DXの製品・事業への適用

  • EMS(エネルギー管理システム)による分散型電源・需給調整・系統安定化システムの展開
  • AI、IoTを活用した診断技術とリモートメンテナンスの導入によるリカーリング(循環)モデルの構築
  • 地域コミュニケーションサービスの展開、省人化ソリューション推進

新興国環境対応需要の捕捉

  • 各拠点のモノづくり力の特徴を活かしたグローバル競争力強化
  • 顧客ニーズを的確に捉えたソリューション提案
  • ASEAN地域の新需要を迅速に捉えたマーケットインビジネスの事業

EV市場拡大に伴う事業拡大

  • EV搭載用パワーデバイス向け製造装置の開発・拡販
  • DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングのさらなる普及拡大
  • EV向け電力インフラビジネスの事業化検討

5つの事業基盤強化

事業環境の大きな変化の中で会社を成長させるため、5つの事業基盤強化に取り組みます。

※S:安全 E:環境 Q:品質 C:コスト D:物流・納期 D:開発

事業セグメント別戦略

電力・環境システム
  • SPSSのさらなる拡大
  • 強みを有する電力インフラ(広域連系・電力融通)分野の市場拡大
  • 民間活力導入市場(PFI・DBO等)への挑戦
  • 海外水処理市場への展開
  • 既設更新需要のリカーリングビジネス展開
ビーム・プラズマ イオン注入装置
  • パワー半導体、最先端半導体、大型FPD向け装置の開発、拡販
  • カスタマーサービス(CS)を海外子会社と連携し、収益基盤強化
電子線照射
  • タイヤ、電線、発泡、CS分野などの既存事業拡大
  • 印刷市場、CR型電子線照射装置等、新事業拡大
ファイン
コーティング
  • 既存市場への得意膜投入と拠点拡大
  • 新膜、新製品、新サービスによる非エンジン・新市場参入
装置部品ソリューション
  • 各生産拠点の特徴を活かしたグローバル競争力強化
  • 金属加工技術をコアにしたソリューション提案
  • ASEAN地域の新需要に基づくマーケットインビジネスの事業化

※PFI(Private Finance Initiative)、DBO(Design Build Operate)
公共施設の計画や運営を民間に任せる公共事業の手法のひとつ。 (民間資金で行う場合:PFI、公共資金で行う場合:DBO)

SDGsへの対応

当社グループは、創業100年を超える歴史から滲み出てきた多元的価値軸「環境との調和」+「5つの信頼」を重んずる経営を進めており、これはSDGsの理念と相通ずると考えています。
持続可能な地球環境とあらゆる人々が活躍する社会の実現のために活動することで、ビジネスチャンスとして成長戦略へつなげ、企業のプレゼンスを高め、一人ひとりが仕事を通じて社会貢献に寄与することで、社員のモチベーション満足度を高めて成長していくことを目指していきます。

貢献する事業分野

  • 水質改善に貢献

    上下水処理設備の維持管理 ASEAN、中国での水処理改善

  • 安全安心の
    まちづくりに貢献

    中央監視制御システム(水処理、高速道路) 地域コミュニケーションサービス

  • 電力インフラ
    構築に貢献

    パワーデバイス向け装置 直流配電システム製品の開発 国土強靭化基本計画による需要拡大 金属受託加工の拡大

  • 電力の
    安定供給に貢献

    再生可能エネルギー発電対応システム 電気を高効率で使うためのEMS 高品質な電気を届けるための系統連系設備

  • AI・IoT活用で
    CO2排出量削減

    エネルギー効率の高いスマート工場構築 センサー活用による点検事業

  • 素材の高機能化で
    環境負荷低減

    環境配慮型製品や素材の開発、展開 環境対応車へのDLC

貢献する取り組み

  • 技術系大学院生のための給付型奨学金制度 社員満足度向上に向けた制度整備・施策検討 障がい者雇用推進 ジェンダー平等に向けたポートフォリオ作成

  • 産業廃棄物削減 グループガバナンス強化研修の拡大 ビジネスパートナとの連携・社内外情報共有システム