生物多様性保全

京都ゆかりの生態系保全

当社は、京都市の掲げる「京の生きもの・文化協働再生プロジェクト」※1の認定を2014年・2018年・2023年に受け、生物の多様性に配慮した緑地の整備に取り組んでいます。
賀茂別雷神社(上賀茂神社)より株分けされたフタバアオイを育成して同神社のフタバアオイ奉納式「葵里帰り」に奉納しているほか、ヒオウギやフジバカマなど、京都の文化にゆかりある植物や希少種を育てています。

ヒオウギ

フジバカマ

また、日新アカデミー研修センターの緑地を「京都市緑の基本計画」に沿って「生物多様性+雨庭※2」をコンセプトに整備しており、敷地内に降った雨水を浸透・一時貯留する過程を「雨道」とし、貯めた雨水を太陽光発電によって循環させて利用している「水景」には、その環境にあう植物を配置し、生育状況を見ながら、本社工場内で生育した希少植物を株分け移植して、生物多様性のネットワークを拡大させています。このような取り組みが認められ、日新アカデミー研修センターは、グリーンインフラ官民連携プラットフォーム(国土交通省)が主催する「第4回グリーンインフラ大賞」で優秀賞を受賞しました。
この経験を活かし、2023年度には久世工場の緑地にも「雨庭」を整備し、多数の生物が生息できる環境づくりを行いました。当社グループ敷地内でのさらなる雨庭整備も計画しています。
今後、環境教育の場としての活用や見学会・モニタリング調査の実施などを通じて、地域の皆様や大学・技術研究所などと連携しながら保全活動の拡大に貢献できるよう取り組みを推進していきます。

※1  京の生きもの・文化協働再生プロジェクト:京都の祭りや文化を支えてきた生きものの保全・再生のための取り組みを認定し、必要に応じた専門家派遣による技術的支援など、京都ならではの自然環境や伝統文化を後世に受け継ぐための取り組みを推進する京都市の事業。
※2  雨庭:土面に雨水を一時的に貯めて時間をかけて地中に浸透させることで、公共排水への急激な雨水流出を防ぐ機能を備えた庭。公共インフラの負担を軽減し、短時間の集中豪雨による排水溝の氾濫抑制などに貢献できる。

雨水をゆっくり地中浸透させる「雨庭」

雨水を循環利用する自然な
河川環境の「水景」