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節電と電力の安定供給の両立を目指して~“スマート電力供給システム(SPSS)”を前橋製作所に構築~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:小畑英明)は、負荷の見える化に加え、多様な電源の最適な組み合わせ運用や機器の劣化状態の見える化により、電力を安定供給するシステムの実用化を目指し、前橋製作所(群馬県前橋市)に自社版スマートグリッド”スマート電力供給システム:SPSS(Smart Power Supply Systems)”を構築中であり、一部が2013年4月に稼動開始いたしました。2014年3月完成に向けて今後順次実証検証対象を拡大していきます。

1. システム構築の背景

東日本大震災以後の慢性的な電力不足、電力料金の値上がり、再生可能エネルギーの固定価格買取制度導入などにより、再生可能エネルギーの効率的活用や、節電、停電回避へのニーズは増々高まっています。

SPSSは、受変電設備に加えて、太陽光発電、自家発電、電池電力貯蔵などをエネルギー管理システム(EMS)により総合的に運用管理し、電力の安定供給と省エネを実現します。更に、当社が得意とする電力機器の劣化・状態監視機能も加え、故障を未然に防止し、停電リスクを低減したシステムとしています。自社工場のシステムで、ソリューションのノウハウを蓄積し、お客様の設備に合わせた最も効率的なシステムを提案し、事業継続計画(BCP)策定に貢献いたします。

2. SPSSの特長

1) 多様な電源のベストミックス

既存の受変電設備に加え、太陽光発電、自家発電、電池電力貯蔵を制御し省エネだけでなく、停電時の電力供給を実現します

2) 電力機器の劣化・状態監視

GISや変圧器の部分放電、高圧スイッチギヤの過熱を監視し、停電事故を未然に防ぎます

3) システムのデータをEMSで管理

構内の電力を見える化し、ピーク時の負荷削減などに利用。また、上記 1)と2)の状態をEMSで管理し、節電と電力の安定供給を実現します

今後検証をすすめて、当社が8年連続トップシェアを維持している特別高圧(66/77kV)受変電設備が設置されている工場、ビル、水処理場を持つお客様を中心に提案していきます。


前橋製作所SPSSのシステム概要図

<ご参考>

■前橋製作所SPSSのシステム概要

2013年4月に550kWの太陽光発電システムを導入しました。今後、2014年3月までにコージェネレーションシステム、電池電力貯蔵、EMSを導入し、各電源の最適な組み合わせ運用により既存の電力系統から受電する電力の大幅な節約を目指し実証をすすめます。
電力機器の劣化状態を監視するシステムの開発においては、既存の部分放電監視装置に加え、過熱監視装置による監視データを蓄積し、EMSで管理することで劣化診断技術の向上につなげます。
※太陽光発電で発電した電力は自社工場内で消費します。また、前橋製作所でピーク時に必要な電力の最大1/4を補うことができます。

■京都本社での開発・検証

前橋製作所での実証開始に先立ち、京都本社でも2011年11月よりSPSS実現のための製品やシステム開発に取り組んできました。その結果、2012年夏季はピーク電力を2010年夏季と比較し20%削減することができました。

<用語解説>

■GISの部分放電監視装置

GIS内部で絶縁性能が低下すると部分放電が発生します。
この放電に伴い発生する電磁波を外部から検出し、劣化状態を診断します。
(2009年電設工業展で経済産業大臣賞受賞)

■変圧器の部分放電監視装置

変圧器内部の劣化の前駆現象となる部分放電を容易に検出し、変圧器事故を防止する装置です。(2011年電設工業展で関東電気保安協会理事長賞を受賞)

■スイッチギヤの過熱監視装置

遮断器一次断路部の接触不良やボルトの緩みなどによる異常過熱を速やかに検出する装置です。
過熱監視センサ(子機)と、過熱監視センサから送信される情報を受信する装置(親機)により構成されています。
過熱監視センサ(子機)は、スイッチギヤ内部導体部に設置し、温度を検出するセンサです。電源レスで、導体部と接地間から得られる微弱電流を蓄電し利用するエネルギーハーベスティング技術を、過熱センサとしては国内で初めて実用化しました。過熱センサ(子機)から定期的に温度情報を無線で送信し、受信機(親機)側で過熱状態を監視します。

■EMS(エネルギー管理システム) (2014年3月導入予定)

設備運用維持管理やエネルギー最適運用制御を行う監視制御システムと、多彩な分析グラフツールやWEB環境での見える化を行う管理サーバとで構成されています。

 

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