2017.08.31
「スマートパワコン®」に大規模メガソーラ向け1000kW機をラインアップ

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤 成雄)は、大規模メガソーラ発電所向けに、昨年市場投入した新型パワーコンディショナ(以下、パワコン)「スマートパワコン」(500kW、660kW、750kW)に、新たにDC1000V対応の1000kWパワコン「スマートパワコン1000」を開発、ラインアップします。発売開始は2017年8月30日です。

FIT(固定価格買取制度)の買取単価が年々減少していく中で、今後建設される太陽光発電所では、建設コストの低減化が望まれています。その中でも大規模メガソーラにおいてはパワコンの大容量化による台数削減に加えて、周辺機器や施工費などのコスト低減が期待されています。この様な市場背景を踏まえ、当社は、昨年市場投入しお客様に大変好評のスマートパワコンにDC1000V対応の1000kWパワコン「スマートパワコン1000」を開発しました。

 

パワコン大容量化によるパワコン設置台数の削減例

例えばDC1000V・20MW太陽光発電所の場合、当社従来の660kWパワコンでは中間変電所を1320kW単位(660kWパワコン×2set)15カ所で構成していたものを、1000kWパワコンを採用する事で、中間変電所を2000kW単位(1000kWパワコン×2set)10カ所で構成する事が可能となります。結果、パワコンの台数削減によるコスト低減に加え、パワコンが接続される連系設備の台数削減による機器コスト低減(約15%程度)の他、パワコン・連系設備台数減少に伴う施工費の低減が期待できます。


DC1000V・20MWの中間変電所構成イメージ

 

 

「スマートパワコン1000」の特長は以下の通りです。

1.高機能・高効率で売電量が増加

3レベルインバータの採用、熱交換器の採用によるエアコンの省略により、効率向上による年間発電量の向上(約1%※1)、従来機種に比べて内部損失の低減(30%以上※1)を実現し、太陽光発電所の売電量増加に貢献します。
※1:年間発電量はシミュレーションによる

2.コンパクト設計で太陽電池配置エリア拡大

高さを2m以下に抑えることでパワコン本体の影の影響を小さくでき、太陽電池を本体近くまで配置でき、スペースを有効活用できます。

3.トラブル発生時にも発電量の低下を軽減

インバータをモジュール化し、3ユニット構成とすることで、仮にインバータユニット1台にトラブルが発生しても、残りの2ユニットで運転継続でき、発電機会の低下を防ぐことができます。(縮退運転※2
なお、1000kW級パワコンへの縮退運転機能の搭載は国内初です。(当社調べ)
(現在パワコンは大型化と小型化に2極化していますが、本パワコンは1MWと大容量でありながら、なにかあったときにはユニット単位での運転が可能であり、小型パワコンと同様リスク分散も可能です。)
※2:トラブル発生部分によっては縮退運転ができない場合があります(共通部分の故障など)

4.エアコンレスにより20年間トータルでの省エネを実現

スマートパワコンの特長でもあるエアコンレスを本製品でも実現しています。熱交換器と強制空冷を併用する“ハイブリッド冷却方式”にすることで、消費電力を大幅に削減するとともに、更新サイクルを延長しました。20年間トータルでの売電収入アップに貢献します。

5.メンテナンス性の向上

生涯メンテナンス1回を実現し、ランニングコストを半減
内部構成機器に長寿命部品を採用。エアコンレスとした効果と合わせ、20年間トータルでのランニングコストを半減しました。
標準で重耐塩仕様
重耐塩仕様により、海岸に近い場所への設置にも標準で対応可能です。
インバータ共有化に伴う、メンテナンス・不具合時の対応敏速化
スマートパワコンシリーズでの部品の共通化により、リードタイム短縮やコスト低減を実現しました。
リモートメンテナンスの対応
お客様や当社にて、遠隔地からのパワコン詳細情報がモニタ可能。不具合時の敏速な復旧対応が可能(メンテナンス契約要)となります。
セルフクリーニングファン制御の採用
毎朝の起動時にファンを逆回転させ、フィルタのホコリなどを除去することで、日常のメンテナンスを軽減します。

「スマートパワコン1000」の外観・仕様は以下の通りです。

<ご参考>

■用語解説

3レベルインバータ 一般的な2レベルインバータは±Eのパルスとなるのに対し、3レベルインバータは±Eと±E/2のパルスになり、より正弦波形に近くなるため、損失を小さくすることができます。

 

[本件に関するお問い合わせ]

 こちらのフォームよりお問い合わせください