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第25回ディスプレイ国際ワークショップ(IDW’18)において「Outstanding Poster Paper Award」を2年連続受賞 ~当社独自の技術で大型ガラス基板に対応した高品質かつ均一性の高い成膜が可能に~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)は、2018年12月12~14日に名古屋国際会議場で行われた「第25回ディスプレイ国際ワークショップ(IDW’18)」(主催:映像情報メディア学会(ITE)、The Society for Information Display(SID))において「Outstanding Poster Paper Award」を受賞しました。昨年受賞したICP(誘導結合プラズマ)スパッタ技術に続き、今回のICP-CVD技術で2年連続の受賞となります。

 

IDWは、ディスプレイ技術とその関連学術分野の研究の促進や成果の普及に関する事業を行う国際学会であり、この賞はポスター発表の中から、優秀な発表を表彰するものです。今回当社は、開発中のフラットパネルディスプレイ向けのICP-CVD装置において、高品質かつ均一性の高い成膜が可能で、第6世代(1500×1850mm)の大型ガラス基板に対応できることを示したことが評価されました。

 

本技術は、IGZO膜を使った薄膜トランジスタ(TFT)の絶縁膜成膜技術に関するもので、材料ガスの分解効率が高いICP技術により、水素含有量の少ない絶縁膜を成膜できるため、信頼性の高いTFTが提供可能となります。また独自の長尺低インピーダンスアンテナ技術により、大型ガラス基板に対応できることから、成膜の効率化が図れ、高精細のスマートフォンや大型テレビのディスプレイの量産が可能となります。

 

当社はこれまでも、ICP技術に関する研究成果を発表しており、2017年12月に仙台で開催されたIDW’17では、ICPスパッタ技術で「Outstanding Poster Paper Award」を受賞しています。当社プラズマ技術には、大きな関心が寄せられており、今後もディスプレイ分野の発展に貢献していきます。

 

<ご参考>

■用語説明

・ICP-CVD装置
(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ、Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)

高周波で形成される磁界の変化によって発生する電界を利用して高密度プラズマをつくり、原料ガスを分解し、基材上に薄膜を形成する装置。

・IGZO

インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)から構成される酸化物半導体の略称。

・薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)

半導体薄膜を使って作製したトランジスタで、ガラスやフィルムなどの絶縁膜基板上に製作し、液晶や有機ELの表示に使用される。

・ICPスパッタ技術

高周波で形成される磁界の変化によって発生する電界を利用して高密度プラズマをつくり、原料の板材にプラズマ中のイオンを衝突させることで材料を弾き飛ばして、対向する基材上にターゲット材料の薄膜を形成する装置。

 

■一般社団法人ディスプレイ国際ワークショップ(IDW)

ディスプレイ技術とその関連学術分野の研究促進や成果の普及に関する事業を行う国際学会。次世代のディスプレイ技術を育て、これに従事する研究者・技術者を育成することを目的としている。

 

[本件に関するお問い合わせ]

〒615-8686 京都市右京区梅津高畝町47番地
日新電機株式会社 経営企画部広報グループ  (075)864-8849

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