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170kV級ECOガスVT(計器用変圧器)を発売開始 ~ECOガスの適用で地球温暖化係数約98%低減を実現~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)は、絶縁ガスとしてSF6(六フッ化硫黄)ガスの替わりに、フッ素系のガスであるフルオロニトリルとCO2との混合ガス(以降、ECOガス)を適用した170kV級「ECOガスVT」を、2020年10月より発売を開始します。ECOガスを適用したVTの発売は、国内メーカーで初となります。

 

ガスVTは、交流回路の高電圧を計測するために低電圧に変換する機器であり、ガス絶縁開閉装置(GIS)に搭載して使われます。現在、GISに適用されている絶縁ガスはSF6ガスが主流です。しかし、SF6ガスは高い絶縁性能を有している反面、地球温暖化係数が高く、ガス取り扱い時の手違いや万が一の機器破損などにより、SF6ガスが大気中に漏出した場合には、環境への影響が大きいとされています。

そのため近年、SF6ガスを適用しない環境に配慮したGISが注目されており、欧州地域および韓国において新しい絶縁ガスを適用したGISの開発・運用が進められています。特に韓国においては、国を挙げてSF6ガスを適用しないGISの開発を加速しています。

 

当社は韓国の動向に着目し、韓国のGISメーカーの多くが170kV級GISに適用する新しい絶縁ガスとして、フルオロニトリルとCO2を混合したガスを採用していることから、GISへ搭載可能な170kV級ECOガスVTの開発に着手しました。ECOガスVTは、既存のSF6ガス絶縁VTに要求される電気的性能を満足するだけでなく、ECOガスの適用によりSF6ガスと比較して地球温暖化係数の約98%低減を実現しました。初号機を韓国のGISメーカーに2020年10月に納入予定です。

 

当社は、今後も環境配慮製品の開発に注力するとともに製品の普及に努め、環境負荷低減を推進することで地球温暖化防止へ貢献していきます。

170kV級ECOガスVT

 

参考資料

【用語解説】

・フルオロニトリル

フルオロニトリルは、化学式「2,3,3,3-テトラフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパンニトリル」のフッ素系のガス。ガス単体の性能として、高い絶縁性能を有していること、SF6ガスに比べて地球温暖化係数が約10分の1程度であることから、SF6ガスの代替ガスとして適用されている。

 

・ガス絶縁開閉装置(GIS)

電力の安全・安定供給のために変電所設備・受電設備として設置される装置であり、しゃ断器・断路器・接地装置などを接地された金属容器内に高絶縁性能のガスで密閉・収納していることから縮小化・信頼性・安全性に極めて優れている装置。

 

・地球温暖化係数

二酸化炭素を基準に、ある気体が大気中に放出された際100年間にわたっておよぼす温室効果の強さを表したもの。

 

【関連リンク】

計器用変成器: https://nissin.jp/product/electric/vt/index.html

ガス絶縁開閉装置: https://nissin.jp/product/electric/gis/index.html

 

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