ニュースリリース
腐食検知センサを開発 ~電気機器の腐食リスクを「見える化」で、さらなる安心・安全を提供!~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)は、複合環境センサシリーズのラインアップ機種として、電気設備設置環境の腐食性ガス(硫化水素)による腐食リスクを「見える化」することで、電気機器の故障を未然に防ぎ、安心・安全を実現する「腐食検知センサ」を2020年11月に開発しました。2021年4月より当社の水処理向け電気設備(配電盤、監視制御システムなど)への搭載を開始いたします。
2015年3月より発売開始している複合環境センサシリーズ「MES-01/12/13/32/33」は、工場・配電盤・電気室などの「環境データの記録とリモート監視」および「空調機器の制御」や「設備メンテナンス(クリーニング)時期の検知」ができ、設備環境の見張り番として大変ご好評いただいています。2020年度(今年度)末にはシリーズ全体で、累計2,500台出荷を達成する見通しです。今回、複合環境センサシリーズのさらなるラインアップ拡充として、腐食検知センサを開発しました。
近年、少子高齢化による人手不足のため、電気設備におけるメンテナンス要員を確保することが困難になってきており、設備メンテナンスの適正化・省力化のニーズが高まっています。電気設備は上下水道施設など、腐食性ガスが発生する施設にも設置され、腐食性ガスは電気機器に使用されるプリント基板などの故障原因となります。そのため従来は、必要に応じて電気設備を設置する環境の腐食性ガスを事前に調査し、調査結果に応じた腐食対策を実施の上でお客様へ提供し、さらに不具合防止の目的で定期点検を実施していました。
今回開発した腐食検知センサは、腐食性ガスによる腐食リスクを常時監視することで、電気機器の故障リスクを事前に検知し、故障を未然に防ぐとともに、メンテナンス時期の適正化・省力化に貢献します。本製品のセンサヘッドは光源・反射板およびフォトセンサで構成されており、銀でできた反射板への変色による、光源の反射率の変化をフォトセンサにて検知します。銀は、腐食性ガスに含まれる硫化水素で腐食・変色する性質があり、変色による反射率の変化をセンシングすることで、腐食によるリスクおよびプリント基板の不具合の発生時期を事前に検知します。
本製品は2021年度以降、当社の水処理向け設備に搭載し、設備の信頼性向上に貢献していきます。今後も当社は、複合環境センサのラインアップ充実と診断技術の開発により、設備メンテナンスの高度化に貢献し、お客様へのさらなる安心・安全をご提供します。
腐食検知センサ
【腐食検知センサの特長】
- 腐食リスクとプリント基板の不具合発生時期を「見える化」(新機能)
腐食性ガスによる銀の変色を光学式検知。本方法は当社オリジナル技術(特許出願中)。 - リモート監視機能(複合環境センサシリーズ共通)
計測したデータを通信機能により自動収集・リモート監視が可能。通信方式は、有線または無線タイプより選択。 - データロギング(複合環境センサシリーズ共通)
計測したデータを最大40,000点(1時間に1回のロギングで4年分)内部メモリに記録。記録したデータはUSB端子より出力でき、スタンドアロン機器としても使用可能。 - 簡単設置
センサ本体、センサヘッド共に軽量かつコンパクト。センサ本体はDINレールに設置可能。また、汎用ソケットにより簡単に取り付け・交換が可能。センサヘッドはコネクタにより簡単に交換可能。
【仕様】
外 形 ・ 重 量 | : | ①センサ本体 :W50×H78×D100mm(突起部除く) 250g以下 ②センサヘッド:W51×H30×D91mm 200g以下 |
制 御 電 源 | : | AC85~264V 47~63Hz |
測 定 項 目 | : | 腐食リスク(硫化水素濃度推定)/プリント基板不具合リスク時期/温度 |
通 信 方 式 | : | MES-42(有線タイプ):RS-485 MES-43(無線タイプ):920MHz帯マルチホップ |
性能保証温度範囲 | : | 0~50℃ |
<参考>
【用語解説】
・DINレール
制御盤内にリレーやタイマなど取り付ける際に利用される、DIN規格に基づいた部品を取り付けるために使う金属製のレールのこと。
【関連リンク】
複合環境センサ: https://nissin.jp/product/kankyo_sensor/index.html
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