ニュースリリース
事業セグメントとして「装置部品ソリューション事業」を確立 ~VISION2025の達成に向け、2025年度事業売上高134億円を目指す~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)は、中長期計画「VISION2025」の達成に向け事業体制を見直し、これまで電力機器事業分野に含まれていた産業用装置・部品受託生産事業(以下、装置部品事業)を独立した一つの事業セグメントとし、この20年間の事業で得たノウハウや経験を活かして積極的に顧客の課題を解消すべく「装置部品ソリューション事業」として確立しました。米中貿易戦争の影響により中国中心であったサプライチェーン見直しの動きやASEAN地域で地産地消ニーズが加速しており、これらの変化を捉え新たなニーズを取り込んでいくことで、2025年度の事業売上高134億円(2021年度計画の1.9倍)を目指します。
本件は、今年度からスタートの当社グループ中長期計画「VISION2025」における、6つの成長戦略の一つである「新興国環境対応需要の捕捉」と事業基盤強化の一つである「モノづくり力の強化」に寄与する事業活動となります。
【事業ヒストリー】
1987年にタイで電力機器生産拠点として設立、日本市場向けにコンデンサおよび遮断器を生産してきた日新電機タイ株式会社(以下、NET)で、重電機器のモノづくりをベースに2000年に装置部品事業を事業化、タイ市場および海外市場への供給を開始しました。その後、2005年に日新電機ベトナム有限会社(以下、NEV)を設立、ベトナム市場ニーズへの対応を進めてきました。さらに、2019年に新たなニーズを捕捉すべく、日新電機ミャンマー株式会社(以下、NEM)を設立しました。
2020年に日新電機に「装置部品事業統括部」を創設し、ASEANに展開するNET・NEV・NEMを統括管理し、事業戦略を立案していく体制を構築。また日新電機の生産技術部内に装置部品受託生産における日本市場での受注拡大と海外拠点への安全品質支援をする「装置部品事業推進室」を発足、生産技術部のものづくり教育グループ内に国内・海外拠点への高度な金属部品加工の技術支援と金属部品加工に関する人材育成をする「テクニカルチーム」を創設し、NET・NEVで技術的に困難な案件に対して技術支援をする体制を構築しました。
【事業戦略】
海外拠点と日新電機生産技術部の支援体制の構築により、製品難易度・コストに合わせて最適な生産場所をお客様に提供できる体制が整いました。これにより今後の事業戦略として「グローバル規模の装置部品受託生産事業」、「ASEAN地域におけるマーケットインビジネスの事業化」を推し進めていきます。
<各拠点の特微>
NET | : | 難易度の高いハイエンドの装置・部品を先端技術により高度に自動化した生産拠点で、世界レベルでの需要獲得。 |
NEV | : | 増設した生産能力・低コスト力を活かし、欧米・日本を中心とした先進国への中量部品供給およびベトナム中南部への事業拡大展開。 |
NEM | : | 他社に先駆けた金属加工工場を活かし、新たに発生する現地ニーズを取り込み事業拡大。技術・技能を磨き、品質を確保し、低コストを活かした輸出展開も順次展開。 |
日新電機 | : | 日新電機のスペシャリストのASEAN拠点への技術支援と継承、日本市場で必要とされる高度な加工ニーズを捉え、生産技術部加工グループを基盤に事業体制を構築し2024年度の事業化を計画。 |
1.グローバル規模の装置部品受託生産事業
・タイ・ベトナム・ミャンマー各拠点の特微を活かした顧客ニーズへの対応
・タイ・ベトナムで拡充した生産能力(工場拡張、生産設備拡充)による顧客ニーズへの対応
・ベトナム中南部市場への拠点構築も視野に入れた拡大展開
・日新電機の加工拠点を組み込んだ広範囲な生産供給体制とモノづくり技術統合管理体制の構築
・これまでの多方面の産業界向けモノづくり経験やノウハウを活かしたソリューション提案
2.ASEAN地域におけるマーケットインビジネスの事業化
現地で新たに発生してくるニーズを迅速に捉え、これまで蓄積したモノづくり技術をコアに、そのニーズにあった新たな製品を開発、市場投入。変化の著しい環境分野、省力化/生産効率化分野を中心に参入。
・他に先駆けた市場ニーズの把握と製品化
・日新電機の技術部門や日本の専門機器メーカーとのコラボによる迅速な製品化
【人材育成】
装置部品事業推進室、テクニカルチームの発足により日新電機側から技術支援をする体制が整ったため、日新電機のスペシャリストがNET・NEV・NEM(海外拠点)へ技術支援・継承することで、ASEAN地域で活躍できる人材育成、事業の拡大を図っていきます。
ステップ① | |
・ | 日新電機の若手および海外拠点技術者が日新電機で実習を行うことによる教育・技術の 維持継承 |
・ | 日新電機で試作検証を行い、高度加工品の加工ノウハウ・治具などを海外拠点に技術移管 |
ステップ② | |
・ | 高度加工品を海外拠点に生産移管し、コスト競争力をアップ |
・ | 日新電機の若手技術者が海外拠点に駐在し、技術指導および指導することによる若手技術者のスキルアップ |
・ | 海外拠点技術者が日新電機で蓄積した加工ノウハウを活用した海外各拠点での生産対応 |
ステップ③ | |
・ | 最先端加工技術を探求し、事業の拡大を実施 |
【生産体制の拡大】
NETでは、隣接工場を2018年に購入し、生産エリアを2倍に拡大。また板金加工、切削加工設備、塗装ラインの増設により、部品生産キャパシティは1.3倍に拡大しており、大規模な体制で材料切断から塗装、組立まで一貫生産が可能です。
NEVでは、ASEAN各国へ生産をシフトする企業の増加に伴い、急増するベトナムにおける装置部品受託生産へのニーズ拡大に応えるべく、第1・第3工場を改修、生産キャパシティを従来の1.3倍にアップしました。溶接工150人を含め、工場作業者は400人。延べ床面積22,620平方メートルの3つの工場には、最新の板金加工設備、切削加工設備を多数揃え、世界各国のお客様のご要望にお応えしています。新たに導入した生産管理システムを中心に、より生産性の高いITファクトリーの実現に向け、社員教育や各種改善活動を進めています。
第1工場板金加工ライン(NEV) |
第2工場切削加工ライン(NEV) |
今後、装置部品ソリューション事業を当社の事業セグメントの柱の一つとして、国内と海外で連携した生産対応と、モノづくり技術のグローバル連携体制により、各生産拠点の特微を活かしたグローバル競争力強化、金属加工技術をコアにしたソリューション提案、ASEAN地域の新需要に基づくマーケットインビジネスの事業化に注力し、VISION2025の達成に向け取り組んでいきます。
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<参考>
【会社概要】
・日新電機タイ株式会社
名 称 | : | 日新電機タイ株式会社(Nissin Electric(Thailand)Co., Ltd.) |
代 表 者 | : | 代表取締役社長 生方 寛之 |
所 在 地 | : | タイ パトムタニ県 |
設 立 | : | 1987年10月 |
事業内容 | : | 電気機器部品の製造・加工の請負、並びにガス遮断器および電力用コンデンサの製造および保守・点検、ファインコーティングサービス |
従業員数 | : | 676人(2021年3月末時点) |
・日新電機ベトナム有限会社
名 称 | : | 日新電機ベトナム有限会社(Nissin Electric Vietnam Co., Ltd.) |
代 表 者 | : | 代表取締役社長 寺尾 薫 |
所 在 地 | : | ベトナム バックニン省 |
設 立 | : | 2005年11月 |
事業内容 | : | 装置部品の受託加工および電気機器の製造・販売、ファインコーティングサービス |
従業員数 | : | 544人(2021年3月末時点) |
・日新電機ミャンマー株式会社
名 称 | : | 日新電機ミャンマー株式会社(Nissin Electric Myanmar Co., Ltd.) |
代 表 者 | : | 代表取締役社長 天海 秀樹(日新電機株式会社常務執行役員) |
所 在 地 | : | ミャンマー ティラワ経済特区 |
設 立 | : | 2019年5月 |
事業内容 | : | 装置部品の受託加工および電気機器の製造・販売 |
従業員数 | : | 31人(2021年3月末時点) |
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