ニュースリリース
国際会議「AM-FPD」で最優秀論文賞を受賞 ~酸化物半導体へのイオン注入技術に注目~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)とグループ会社である日新イオン機器株式会社(本社:京都市南区、社長:長井宣夫)の共同研究開発グループは、フラットパネルディスプレイに関する技術や材料等が報告される国際会議「AM-FPD ’20」(会期:2020年9月1日(火)~4日(金))で報告したIGZO-TFT(薄膜トランジスタ)への希ガスイオン注入特性に関する研究成果において、最優秀論文賞にあたる「AM-FPD ’20-Best Paper Award」を受賞しました。
本研究テーマは2019年より、日新イオン機器と日新電機が協力し、それぞれの役割を成膜およびTFT評価とイオン注入に分担し、効率良く開発を進めてきました。その結果、トランジスタのソース/ドレイン領域を低抵抗化するためのさまざまなイオン種やそのエネルギー依存性を解明することによって、LTPS(低温ポリシリコン) TFTでしか使用されていなかったイオン注入技術を、高移動度で大型パネル製作に向いている酸化物半導体TFTでも使用できる技術であることを示唆したため注目を集めました。本技術が酸化物半導体TFTでも使用できることで、フラットパネルディスプレイの高精細化かつ省エネ化が期待できます。
本年度の「AM-FPD ’21」においても同様のテーマで発表を行っており、今後もより多くのデータを集め、酸化膜半導体へのイオン注入技術の早期適応を目指します。
また、当社グループは、2021年4月にスタートした新中長期計画「VISION2025」において、SDGsを中核に据えた成長戦略とそれを支える事業基盤強化に取り組んでおり、その一環として本受賞技術に関わるイオンビーム・プラズマ技術を利用したイノベーティブな装置、技術、サービスのトータルサプライヤーとして、持続可能な地球環境とあらゆる人々が活躍する社会の実現に貢献してまいります。
【AM-FPD ’21の概要】
開 催 日 | : | 2021年6月29日(火)~7月2日(金) |
開催場所 | : | オンライン開催 |
主 催 | : | 一般社団法人機能性薄膜材料デバイス国際会議 |
<参考>
【用語解説】
・IGZO
インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)から構成される酸化物半導体の略称。
・TFT(Thin Film Transistor):薄膜トランジスタ
半導体薄膜を使って作製したトランジスタで、ガラスやフィルムなどの絶縁膜基板上に製作し、液晶や有機ELの表示に使用される。
・希ガス
ヘリウム (He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)の6元素を総称するもの。
【関連リンク】
日新イオン機器株式会社: https://www.nissin-ion.co.jp/
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