ニュースリリース

製品・サービス

沖縄電力株式会社から地域マイクログリッドシステムを受注、10月より搬入・現地調整試験を開始 ~脱炭素化、電力レジリエンス強化、持続可能な社会の実現に貢献~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)は、沖縄電力株式会社(本社:沖縄県浦添市:以降沖縄電力)から宮古島市来間島における地域マイクログリッドシステムを2020年10月に受注、この度システム製作を完了し、搬入・現地調整試験を開始しました。配電線(系統線)を利用した地域マイクログリッドの構築は当社として初めての実績になります。

当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます(「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」「DXの製品・事業への適用」「新興国環境対応需要の捕捉」「EV拡大に伴う事業拡大」)。本件は「分散型エネルギー対応」に寄与し、地域マイクログリッド(MG)で電力レジリエンス強化を実現する事業活動の一つです。

 

本システムは、沖縄電力、株式会社ネクステムズ、株式会社宮古島未来エネルギーが「令和2年度地域マイクログリッド構築事業」の交付決定を受けて構築するものです。

地域マイクログリッドでは、平常時は島内に分散設置された太陽光発電(以降PV)と蓄電池を活用して効率的に電力を供給し、災害などによる大規模停電の非常時には電力系統から切り離して、蓄電池を主電源として自立的に当該エリア内の電力供給を可能とする新たなエネルギーシステムです。

 

1.システム概要

既設の380kWのPV設備に加えて、新たに設置される270kWのPV設備(40世帯相当分)と360kWhの蓄電池、さらに地域マイクログリッド対象エリアの需給調整を目的としたMG蓄電池およびエリア内の需給バランスを統括管理・協調制御するMG-EMSで構成されます。

 

2.当社の役割

当社は沖縄電力のもと、EPCとして地域マイクログリッドシステムに必要となる受変電設備、MG-EMS、MG蓄電池、補充電用ディーゼル発電機(以降補充電用DG)を組み合わせたシステム一式を構築します。

 当社納入設備  用 途
 受変電設備  MG蓄電池を電力系統に連系
 MG-EMS  地域マイクログリッドエリア内の需給バランスを統括制御
 MG蓄電池  地域マイクログリッドエリア内の需給調整および災害時の自立電源
 補充電用DG  地域マイクログリッド蓄電池の容量低下時の補充電対応

3.特長:MG-EMSによるMG蓄電池・補充電用DG・需要家側EMSの協調制御

MG-EMSがMG蓄電池・補充電用DG・需要家側EMSを統括管理・協調制御することで、平常時から非常時への速やかな切り替えと安定的な電力供給を実現します。これによって、再生可能エネルギーの地産地消に加え、台風などによる大規模停電発生時において早期の電力復旧が可能となります。

 

<電力供給イメージ>

(1) 平常時

宮古島の電力系統から地域マイクログリッドエリア内に出入りする電力に対してMG-EMS がMG蓄電池を協調制御し、需給バランスを調整します。MG-EMSは、需要予測、PV発電予測やMG蓄電池の残容量を管理して、経済性を考慮した需給計画を立て、MG蓄電池・補充電用DG・需要家側EMSを制御します。

(2) 非常時

宮古島の電力系統から切り離してMG蓄電池を主電源として自立的に地域マイクログリッドエリア内に電力供給します。MG-EMSは、需要予測、PV発電予測やMG蓄電池の残容量を管理して、長時間停電無しで運用可能となるように補充電用DG・需要家側EMSを制御します。

 

来間島地域マイクログリッドイメージ

 

脱炭素化や持続可能な社会への取り組みが世界規模で加速している今、再生可能エネルギーの地産地消、エネルギーコスト低減、非常時の電力供給維持を実現する地域マイクログリッドの構築が注目されています。当社は地域マイクログリッドシステムをはじめ、脱炭素化、電力レジリエンス強化、持続可能な社会実現に貢献するためのさまざまなエネルギーソリューションを、お客様と共に作り上げていきます。

 

当社グループは事業活動を通して、SDGsへの取り組みを強化しています。本件はSDGsの17の目標の内、下記の目標に関連する活動です。

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
13.気候変動に具体的な対策を

 

 

<参考>

沖縄電力2020 年 9 月 15 日プレスリリース

 

【用語解説】

・令和2年度地域マイクログリッド構築事業(経済産業省資源エネルギー庁補助事業)

「令和2年度 地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業費補助金(地域マイクログリッド構築支援事業のうち、地域マイクログリッド構築事業)」。

 

・EMS(エネルギーマネジメントシステム)

エネルギー消費量のモニタリングや省エネ行動を喚起するための見える化、空調・照明などの省エネ制御、分散型電源の制御など、節電・省エネに関する機能を持ったシステムの総称。一般的にEMS(Energy Management System)と呼ばれ、ビル向けのBEMS(Building Energy Management System)、工場向けのFEMS(Factory Energy Management System)、水処理向けのWEMS(Water Energy Management System)、家庭向けのHEMS(Home Energy Management System)などに分類。

 

・EPC

設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を一括したプロジェクトとして設備建設工事を請け負う契約方式。

 

【関連リンク】

地域マイクログリッド 全体エンジニアリング:https://nissin.jp/solution/microgrid_ems/index.html

 

[本件に関するお問い合わせ]

こちらのフォームよりお問い合わせください

ニュースリリース一覧に戻る