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学校教材として「放射線(電子線)実験樹脂」を販売 ~放射線(電子線)架橋技術を利用した学校教材を製品化~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)のグループ会社で、電子線照射装置の開発から販売、電子線照射サービスの受託を行う株式会社NHVコーポレーション(本社:京都市右京区、社長:重田悦雄、以下 NHVC)は、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構の技術指導を受けて、学校用理科実験教材「放射線(電子線)実験樹脂」を開発しました。

これは、電子線照射装置を用いて放射線(電子線)架橋技術を使った、環境にやさしい生分解性樹脂に形状記憶の特性を持たせた製品で、2022年度より発売を開始しています。

 

放射線架橋技術とは、樹脂に電子線などの放射線を照射することで化学反応を起こし、樹脂に三次元的な網目構造を作る技術のことです。これにより、樹脂を熱に強くしたり、形状記憶の特性を持たせたりすることが可能です。学校教育の理科における放射線教育では、放射線の性質に関する教材は充実していますが、前述した利用方法について理解・体験ができる教材は少なく、本製品が求められていました。本製品は、小学校から大学などの教育現場にて、安全で簡単に放射線架橋技術の効果を実感できる教材です。

放射線の一種である電子線は素材の特性向上や新機能を付加させることなどが可能であり、電線の被覆材や熱収縮材、自動車のタイヤなどに利用され、持続可能な社会の実現に向け幅広い分野で貢献しています。

 

【特長】

本製品には、電子線を照射した樹脂と未照射の樹脂の2種類が入っており、比較実験できます。

・電子線を照射していない樹脂

60℃以上のお湯に浸すことで、透明になるとともに非常にやわらかくなり、軽く引っ張るだけで伸びて元には戻りません。

・電子線を照射した樹脂

60℃以上のお湯で透明になりますが、未照射樹脂ほどやわらかくはありません。また引っ張ると伸びますが、再びお湯に浸すことで元の形状に戻ります。

 

 

【仕様】

材 質:ポリカプロラクトン(生分解性樹脂)

大きさ:幅7mm×長さ50mm×厚さ1mm

 

今後、地域社会への貢献の一つとして、本製品を通して、電子線照射が私たちの生活の中で身近に活用されていることを知ってもらうために、小学生向けの理科教室や放射線の研究会での発表などを行っていきます。

8月からNHVCのHPにて、本製品動画(URL:https://www.nhv.jp/eb/educational.html)を公開しています。

 

当社グループは事業活動を通して、SDGsへの取り組みを強化しています。本件はSDGsの17の目標の内、下記の目標達成に関連する活動です。

4.質の高い教育をみんなに

 

<参考>

【用語解説】

・国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構

放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構の量子ビーム部門と核融合部門が再編統合され、2016年4月1日に新たに発足した国立研究開発法人。

 

・生分解性

物質が微生物などの生物の作用により分解する性質。

 

・放射線(電子線)架橋技術

樹脂やプラスチックなどの高分子に放射線(電子線)を照射すると、高分子の一部が壊れて、他の高分子と結合しやすい部分が生じる。この部分が互いに結合することにより、網目状の構造になる。この化学反応を放射線(電子線)架橋技術と呼び、高分子の強度、耐熱性、熱収縮性などの性質を改善する。

・電子線

電子線(Electron Beam:EB)は、放射線の1種。電子線は電源のON、OFFで放射線の発生を制御できるため安全である。また、短時間で多くの素材への照射が可能で、車用タイヤ、電線被覆、熱収縮フィルムの製造など、身近な素材への架橋技術に利用されている。

 

【会社概要】

・株式会社NHVコーポレーション

名  称 株式会社NHVコーポレーション
代 表 者 代表取締役社長 重田 悦雄(日新電機株式会社執行役員)
所 在 地 京都市右京区梅津高畝町47番地
設  立 2003年5月(創業2003年10月)
事業内容 電子線照射装置の開発、設計、製造、販売、据付・調整および保守・点検、並びに電子線照射サービスの受託
従業員数 134人(2022年3月末時点)

【関連リンク】

株式会社NHVコーポレーション: https://www.nhv.jp/

 

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