ニュースリリース
メディポリス指宿の地熱発電所に特高連系変電設備を納入 ~温泉の熱を利用した再生可能エネルギー活用促進に貢献~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)は、株式会社新日本科学(本社:東京都中央区、以下 新日本科学)がメディポリス指宿に新設された温泉の熱を利用した地熱発電所において、発電された電力を昇圧し電力系統に送電するための特高連系変電設備を納入しました。
当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます。本件は「再生可能エネルギー対応」に寄与する事業活動の一つです。
日本は世界第3位の地熱量を持ちながらも、多くを発電に利用できていません。脱炭素化や持続可能な社会づくりへの取り組みが加速する昨今では、安定して発電できる地熱発電、中でも温泉の熱を利用するバイナリー発電に注目が集まっています。
新日本科学では、鹿児島県指宿市に所有する東京ドーム77個という広大な敷地でホテル事業、地熱発電事業、水産事業などを展開しており、既に1,500kWの地熱発電を6.6kVの高圧連系で実施していました。今回新たに地熱発電所(温泉発電)625kWを建設し、発電された電力を66kVの特別高圧に昇圧して電力系統に送電するにあたり、当社の特高連系変電設備を納入しました。
当社は電力機器事業で長年培ってきた受変電システム技術と、電力品質対策技術を基にした系統解析技術を駆使し、ニーズが多様化する再生可能エネルギー活用の促進に取り組んでおり、温泉発電所への納入は初めてとなります。
本件では、既存受変電設備横の限られたスペースに設置するため、当社独自の消弧方式であるAE技術で遮断器の大幅な小型化を実現した超縮小形ガス絶縁開閉装置(XAE7)を採用しました。また、XAE7と特高変圧器を直結構造にすることにより、設置スペースのさらなる縮小化に寄与しています。さらに、特高変圧器は電圧変換時の電力損失低減を図った省エネタイプで、加えて負荷時タップ切替器付の機器を採用し、電力の安定供給に貢献しています。
今後も信頼性の高い連系設備で、再生可能エネルギーのさらなる発展に貢献していきます。
納入先 | : | 株式会社新日本科学 メディポリス指宿 |
66kV特高連系変電設備 |
納入品 | : | 72kV超縮小形ガス絶縁開閉装置(XAE7) 66kV高効率特高変圧器(GIS直結形) 7.2kV高圧スイッチギヤ 直流電源設備 |
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<参考>
【用語解説】
・6つの成長戦略
「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」「DXの製品・事業への適用」「新興国環境対応需要の捕捉」「EV拡大に伴う事業拡大」
・バイナリー発電
蒸気の力で水よりも沸点の低い媒体を沸騰させ、その力でタービン(回転式の原動機)を動かす発電方式のこと。
・ガス絶縁開閉装置
電力の安全・安定供給のために変電所設備・受電設備として設置される機器。しゃ断器・断路器・接地装置などを金属容器内に高絶縁性能のガスで密閉・収納していることから縮小化・信頼性・安全性に極めて優れた装置。
・AE(Auto-Expansion)技術
AE技術を用いたガス遮断器は、パッファ形のようなアーク(電孤)を消すためのSF6ガスの吹き付け機構を必要とせず、驚異的な小型化を実現している。また、操作エネルギーの縮小化や絶縁物を介在させないことによる事故防止にも役立っている。
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