ニュースリリース
スーパーユニバールマルチ1号機を納入 ~業界初!異容量を1ユニット化した超コンパクトタイプのコンデンサ設備~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)は、力率改善、系統安定化などに用いられるコンデンサ設備に関し、3回路を1台に収納した超コンパクトタイプのユニット形コンデンサ「スーパーユニバールマルチ」の1号機を株式会社西日本アチューマットクリーンの「E・フォレスト岡山」に納入、2022年10月より稼働を開始しました。
当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます。本件は「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」に寄与する事業活動の一つです。
「スーパーユニバールマルチ」は、設置面積を小さくしたいというお客様の要望に応えて開発しました。従来品の「スーパーユニバール」はコンデンサ・直列リアクトルを、1ユニットごとに1回路に収納し、これを複数台組み合わせて運用する必要があり、台数分の設置スペースが必要でした。本製品は、業界初となる異容量3回路を1ユニットにまとめて収納することにより超コンパクト化を実現、設置面積を約50%(当社従来品比)削減しました。これにより限られたスペースへの設置が可能となります。また、機器製作時および運搬時のCO2排出量を削減し、地球温暖化防止にも貢献します。これらをお客様に評価いただき、今回の納入となりました。
近年、太陽光・風力発電などの再生可能エネルギーの導入拡大により、負荷の効率化や系統の過進相問題について懸念されています。本製品は、3回路分のコンデンサ設備を負荷に追従させ力率改善を図ること、また大幅なコンパクト化を実現することで、負荷変動対策と設置場所の制約でお困りのお客様の課題を解決していきます。
【スーパーユニバールマルチの特長】
- 系統電圧の適正維持(系統安定化)
容量の異なる3つのコンデンサを収納することで、負荷変動に対する7通りの容量切り替えが可能。細やかな制御で最適容量を選定できるため、過進相問題の対策となり、系統電圧の適正維持に寄与(以下の表をご参照ください) - コンパクト&エコ
従来のスーパーユニバール(3台構成)と比較した場合、設置面積約50%低減を実現。機器や基礎工事関連の使用材料の削減、製造時のCO2排出量の削減にも寄与。 - 省エネ(力率改善)
力率改善により、変圧器や配電線に流れる無駄な電流が減少するので、電気設備のロスが低減でき、省エネルギー効果を発揮。また、電気設備の利用効率が高まり、設備全体を効果的に運用可能。 - 電気料金を低減
電気料金には力率料金制が採用されており、基本料金は、力率85%を基準に1%アップするごとに基本料金が1%値引き。
スーパーユニバールマルチ1号機 |
運用時の出力例 |
【仕様】
設置場所:屋内および屋外 型式:SURA3-VF
定格:6.6kV 3相 50/60Hz 700(100+200+400)kvar / 1400(200+400+800)kvar L=6%
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<参考>
ユニット連結時の設置面積の比較
モデルケース:6.6kV 3相 60Hz 700(100+200+400)kvar L=6%
内部単線結線図
【用語解説】
・6つの成長戦略
「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」「DXの製品・事業への適用」「新興国環境対応需要の捕捉」「EV拡大に伴う事業拡大」
・スーパーユニバール
コンデンサ、直列リアクトル、放電コイルのコンデンサ設備に、コンデンサの入り切り用の開閉器や短絡保護用の電力ヒューズの機器を一体化したユニット形コンデンサ装置。
・力率
交流電力の効率を表したもの。電源から出力された電力と負荷で消費された電力の割合。
力率改善とは、前述の割合をできるだけ100%に近付けること。
・系統の過進相問題
過進相(力率が進み過ぎること)により、電力会社側の配電線や送電線の電圧を上昇させてしまい、ユーザーで運転している機器に対して以下の悪影響を及ぼす可能性があること。
≪問題点≫
①変圧器鉄損の増加
②騒音の増加
③電圧波形歪の増大
④進相コンデンサへの過電圧印加や過電流
特に負荷端の機器は電圧変動の影響を直接受けることになるため、
機器の許容過電圧に対する配慮が必要となります。
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