ニュースリリース
京都の伝統産業支援などに関する連携協定を締結 ~伝統技術の継承と未来の担い手育成を支援~
公益財団法人日新電機グループ社会貢献基金(所在地:京都市右京区、理事長:齋藤成雄、以下 当基金)は、11月6日に京都市および公益財団法人京都伝統産業交流センター(以下 京都伝統産業交流センター)との「文化財の保存修復などを通じた京都の伝統産業支援に関する連携協定」を締結しました。また、協定に則し、同日京都市役所(京都市中京区)にて締結式が執り行われ、当基金理事長の齋藤より田中京都伝統産業交流センター理事長へ寄付金の目録を贈呈しました。
伝統産業とは、伝統的な技術または技法を用いて、日本の伝統的な文化や生活様式に密接に結びついている製品などをつくり出す産業のことです。そのなかでも京都市の伝統産業とは、京都市域内において、当該伝統産業製品などの企画がされ、かつその主要な工程を経てつくられるものをいいます。その多くは、文化財の保存修復などに関連があり、若手職人の減少や熟練した職人の退職により、常に職人が不足している状況で、次代の担い手の育成が課題となっています。
京都伝統産業交流センターでは、未来の担い手の育成に関する取り組みとして、子どもたちを対象とした伝統産業の制作体験会を実施してきました。当基金からの寄付金を活用していただくことで、今後は制作体験だけでなく、職人による実演や解説、工房見学などを加え、体験会の内容がさらに充実する予定です。また、この体験会は若手の職人が携わることにより、後継者の育成にも役立てられます。
初年度である2023年度は、文化財の保存修復などに関連する伝統産業のうち、錺金具と京表具の実演、体験会への支援を予定しています。「錺金具」は、金属板を型取りして文様を彫った装飾金具です。京都御所や二条城、平安神宮などの神社仏閣を手掛ける錺金具職人の解説、工房見学、また銅板に文様を彫る体験教室を計画しています。「京表具」は、絵画や書などを紙や布で補強し、装飾を施して仕立てる伝統技術です。「二条城二の丸御殿の障壁画(国の重要文化財)」や「西本願寺の襖や障壁画」の修理などを行う表具師による話や実演、修復技術を使った制作体験を検討しています。
当基金は、今後も京都の文化や文化財を支えてきた伝統産業に関わる技術の継承と未来の担い手の育成への取り組みに協力していきます。
協定締結式(左から門川京都市長、齋藤当基金理事長、田中京都伝統産業交流センター理事長) |
錺金具 |
京表具 |
<参考>
・日新電機グループ社会貢献基金の概要
名 称 | : | 公益財団法人 日新電機グループ社会貢献基金 |
代 表 者 | : | 理事長 齋藤成雄 (日新電機株式会社 取締役) |
所 在 地 | : | 京都市右京区梅津高畝町47番地(日新電機株式会社 総務部内) |
設 立 | : | 2017年3月 |
財 団 規 模 | : | 約50百万円 |
事 業 規 模 | : | 年間 約25百万円 |
事 業 内 容 | : | (1)技術系人材の育成 ・国内外の学生・生徒を対象とした給付型奨学金制度の運用 ・技術系人材の裾野拡大に向けた諸活動 (2)京都を中心とした歴史的文化財の保護 (3)地域の環境保全活動への協力 |
ウェブサイト | : | https://nissin.jp/sczaidan/ |
・公益財団法人京都伝統産業交流センター
伝統文化を支え、ものづくりと雇用を支えてきた京都の伝統産業を活性化させていくため、伝統産業の従事者や行政との連携のもと、未来の担い手・使い手の育成、伝統産業製品の生活回帰・定着の促進、作り手が行う伝統産業活性化の支援など、さまざまな普及、啓発活動を行っています。
ウェブサイト: https://fpkti.or.jp/
【用語解説】
・錺金具
主に銅板を素材とし、昔ながらの手作業で文様を彫り、金箔やメッキなどで仕上げた金具で、神社や寺院などの建造物や御神輿、山鉾などで、装飾や補強に使用されています。錺金具は、京都市の伝統産業の「京都の金属工芸品」に含まれます。
・京表具
京都府内で生産される表具(掛軸・屏風・襖・額装など)を京表具と呼びます。鑑賞や保存を目的として書・絵画などを紙や布で補強し、装飾を施して仕立てる伝統技術です。京表具は、京都市の伝統産業の一つです。
[本件に関するお問い合わせ]
〒615-8686 京都市右京区梅津高畝町47番地
公益財団法人日新電機グループ社会貢献基金 事務局