ニュースリリース
大規模陸上風力発電「グリーンパワー深浦風力発電所」に66kV変電機器を納入
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)は、大規模陸上風力発電事業「グリーンパワー深浦風力発電所」に、電力会社との系統連系設備を納品しました。
当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます。本件は「再生可能エネルギー対応」に寄与する事業活動です。
「グリーンパワー深浦風力発電所」は株式会社グリーンパワーインベストメント(本社:東京都港区、社長:坂木満)のグループ会社である特別目的会社(SPC)合同会社グリーンパワー深浦が、青森県西津軽郡深浦町に単機出力4,200kWの風力発電機19基を設置した大規模陸上風力発電所で、2024年2月3日より商業運転を開始しています。総出力は79,800kWであり、これは一般家庭の約 52,000 世帯相当分(参考:深浦町の総世帯数は約 3,000 世帯)の電力供給に相当し、年間約 91,000 トンの二酸化炭素削減効果が見込まれています。
本風力発電事業の立ち上げにあたり、親会社である住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上治 以下 住友電工)が、地中送電線の設計・製造を請け負い、当社は66kV変電機器(開閉所、変電所)の設計・製造および据付工事を担当しました。
当社が担当した66kV変電機器(開閉所、変電所)の概要は以下の通りです。
【開閉所】
・72kVガス絶縁開閉装置(GIS):電力会社と接続する開閉装置
・高調波フィルタ(66kV、10Mvar×2組):高調波電流を抑制する装置(5次調波、7次調波用)
・変圧器(20MVA、66/22kV):分路リアクトル接続用
・分路リアクトル(20MVA、22kV)
【プロジェクト変電所】
・72kVガス絶縁開閉装置(GIS):開閉所と接続する開閉装置
・分路リアクトル(66kV、10Mvar):電圧上昇を抑制する装置
・変圧器(85MVA、33/66kV):発電電圧を電力会社の連系電圧に合せる昇圧装置
・33kV配電盤:風車サイトの発電電力を集める集電装置
・変電SCADA:変電所の監視制御装置
開閉所 |
プロジェクト変電所 |
当社は今後も住友電工グループとして、住友電工のケーブルと、長年培った系統解析技術を活用した電力品質対策機器ならびに当社独自の特長ある受変電設備で、送変電一括の最適なソリューション提案を積極的に展開していきます。また、大規模風力発電向け連系設備に最適なシステムソリューションを提案し、再生可能エネルギーの導入拡大に貢献していきます。
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<参考>
・「グリーンパワー深浦風力発電事業」概要
所在地 :青森県西津軽郡深浦町大字北金ヶ沢、田野沢、風合瀬、驫木、追良瀬
商業運転開始日 :2024年2月3日
設備容量 :4,200kW×19 基 79,800kW(接続容量73,600kW)
施主 :合同会社グリーンパワー深浦
・「グリーンパワー深浦風力発電所」の住友電工グループ担当内容について
担当 :(住友電工)66kV送電線の設計、製造
(日新電機)66kV変電機器の設計、製造、据付工事
【用語解説】
・6つの成長戦略
「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」「DXの製品・事業への適用」「新興国環境対応需要の捕捉」「EV拡大に伴う事業拡大」
・対地静電容量
電線と大地との間の静電容量のこと。静電容量とは、コンデンサなどの絶縁された導体において、どのくらい電荷が蓄えられるかを表す量。
・分路リアクトル(ShR)
遅れ無効電力を発生させることで電圧調整を行う機器であり、進み力率となった送電線に接続し力率を改善することで、電圧上昇を緩和することができます。
・高調波
交流の基本波に対する整数倍の周波数成分のこと。50Hzの商用周波数の場合、3次高調波は150Hz、5次高調波は250Hzとなります。
・高調波フィルタ
高調波電流を抑制する機器。
・ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgears)
電力の安全・安定供給のために変電所設備・受電設備として設置される機器で、しゃ断器・断路器・接地装置などを金属容器内に高絶縁性能のガスで密閉・収納した開閉装置。
・SCADA
Supervisory Control And Data Acquisition の略。受変電設備などの設備や装置情報を一カ所に集約し、遠隔から監視・制御するシステム。
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