ニュースリリース
AI技術活用で下水処理場のさらなる省エネ化実現へ ~日本下水道事業団と共同研究を開始~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)は、このたび日本下水道事業団(以下 JS)と「下水処理場の運転管理におけるAI活用技術の開発-AI処理水質予測を活用した省エネ型
下水処理場では、持続的かつ安定的な運営や脱炭素化に向けた取り組みとして、運転管理の効率化や高度化が求められています。また、人口減少社会の到来によって運転管理に携わる熟練技術者が、将来的に減少する可能性もあります。このような課題を解決する技術について、JSの公募型共同研究「下水処理場の運転管理におけるAI活用技術の開発」に応募し、本共同研究を実施することになりました。
本技術の確立により、下水処理場の省エネルギー化を実現し、それに伴い環境への負荷も軽減されます。さらに、維持管理労力軽減による運用コストの削減にも貢献します。
当社グループは、下水処理場における運転管理の効率化・省エネ化に向けて、さまざまな課題解決に今後も取り組んでいきます。
当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます。本件は「DXの適用」に寄与する事業活動です。
当社グループは事業活動を通して、SDGsへの取り組みを強化しています。本件はSDGsの17の⽬標の内、下記の⽬標達成に関連する活動です。
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
参考
【用語解説】
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6つの成長戦略
「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」「DXの製品・事業への適用」「新興国環境対応需要の捕捉」「EV拡大に伴う事業拡大」
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曝気風量制御技術
下水処理場などで使用される曝気装置の送気量を制御する技術。曝気装置は、微生物が有機物を分解するために必要な酸素を水中に供給する役割を担っています。この送気量を制御することによって、微生物の活動や処理プロセス全体の効率が調整されます。流入水の性質や量、外部の気象条件などを考慮して、最適な送気量を維持することで、効率的な処理を実現します。
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当社独自技術である処理水質を予測するAI技術
下水処理場の監視制御装置に保存されている過去の計測データを基に、AIで数時間後の化学的酸素要求量(COD)、全窒素含有量(TN)、全りん含有量(TP)の濃度を予測する技術です。今回の共同研究ではCOD予測技術を活用します。
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アンモニア計による送気量フィードフォワード制御技術
アンモニア性窒素の流入負荷量に基づき送気量を制御するフィードフォワード制御と、反応タンク下流側のアンモニア窒素濃度と目標値の偏差から曝気量を補正するフィードバック補正の組み合わせで送気量を自動制御する技術です。