ニュースリリース
文化財の保護事業等への寄付を実施 ~京都市、京都市景観・まちづくりセンター、京都伝統産業交流センターへ支援~
公益財団法人日新電機グループ社会貢献基金(所在地:京都市右京区、理事長:齋藤成雄 、以下 当基金)は、京都市の文化財保護に協力するため、京都市へ250万円、公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター(以下 京都市景観・まちづくりセンター)へ50万円を寄付しました。12月16日に京都市役所(京都市中京区)にて寄付受納式が執り行われ、理事長の齋藤より松井孝治京都市長、髙田光雄京都市景観・まちづくりセンター理事長へ寄付金の目録を贈呈しました。
寄付金の内訳
- 市指定・登録文化財の修理 100万円
- 「国名勝 無鄰庵庭園」の池流れの護岸整備(後期) 150万円
- 京町家の保全・継承に係る改修助成 50万円
この寄付は、2018年2月に京都市、京都市景観・まちづくりセンターと締結した文化財保護事業等の実施に関する三者連携協定に基づいて行われたもので、今回で8回目となります。
無鄰庵庭園は施主山縣有朋の指示に基づいて、近代日本庭園の先駆者とされる作庭家、庭師七代目小川治兵衛により作庭され、国の名勝に指定されています。せせらぎを縁取る護岸石は、無鄰庵庭園の本質的な価値を構成する重要な要素となっています。現在、流水による護岸石の背面の浸食や植物が干渉している箇所などが見受けられており、護岸を傷める原因を対策し、庭園の良好な保存のための護岸整備に今回の寄付金が活用されます。
また、京都の伝統産業に関わる技術の継承と未来の担い手育成への取り組みを支援するため、公益財団法人京都伝統産業交流センター(以下 京都伝統産業交流センター)へ50万円の寄付を行う予定です。
この寄付は、2023年11月に京都市、京都伝統産業交流センターと締結した文化財の保存修復等を通じた京都の伝統産業支援等に関する連携協定に基づいて行われるもので、今回で2回目となります。
子どもたちを対象とした伝統工芸体験を実施しており、2023年度はお寺やみこしに使われる「錺金具」、貴重な掛軸や襖を守る「京表具」の体験会が開催されました。2024年度は「唐紙」「京仏具(漆塗り)」の体験会を3月に開催される予定で、会の運営や若手技術者の育成に寄付金が活用されます。
当基金は、これからも京都の文化財保護活動に協力していきます。
参考
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日新電機グループ社会貢献基金の概要
名 称
公益財団法人 日新電機グループ社会貢献基金
代 表 者
理事長 齋藤成雄 (日新電機株式会社 取締役)
所 在 地
京都市右京区梅津高畝町47番地(日新電機株式会社 総務部内)
設 立
2017年3月
財 団 規 模
約50百万円
事 業 規 模
年間 約25百万円
事 業 内 容
(1)技術系人材の育成
・国内外の学生・生徒を対象とした給付型奨学金制度の運用
・技術系人材の裾野拡大に向けた諸活動
(2)京都を中心とした歴史的文化財の保護
(3)地域の環境保全活動への協力
ウェブサイト
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文化財保護に関する、京都市および京都市関連団体への寄付について
【用語解説】
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市指定・登録文化財の修理
文化財保護法や京都市文化財保護条例によって指定された建造物や史跡・名勝等の修理を行う事業です。
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無鄰庵(京都市左京区)
1894年~1896年に造営された明治・大正時代の政治家である山縣有朋の別荘です。庭園と母屋・洋館・茶室の3つの建物によって構成されており、庭園は施主山縣有朋の指示に基づいて、七代目小川治兵衛により作庭された近代日本庭園の傑作です。1951年に国の名勝に指定されています。洋館の2階には、伊藤博文らと山縣有朋が日露開戦前の外交方針について話し合った「無鄰庵会議」に使われた部屋があり、当時の様子を今に伝えます。
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七代目小川治兵衛
近代日本庭園の先駆者とされる作庭家・庭師で、通称は植治(屋号)と呼ばれています。作庭には、平安神宮、円山公園、清風荘(西園寺公望別邸)、対龍山荘など国の名勝に指定されているものが多く、他にも京都国立博物館前庭、住友家(有芳園・茶臼山亭など)、三井家、細川家の各庭園など数多くの名庭を残しています。
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京町家の保全・継承にかかる改修助成
公益財団法人京都市景観・まちづくりセンターによる取り組みの一つである「京町家まちづくりファンド」では、市民や企業などからの寄付を活用しながら、京町家を伝統的な外観意匠に改修するための助成を実施しています。
京町家まちづくりファンド ウェブサイト:https://www.kyoto-machisen.jp/fund/ -
公益財団法人京都伝統産業交流センター
伝統文化を支え、ものづくりと雇用を支えてきた京都の伝統産業を活性化させていくため、伝統産業の従事者や行政との連携のもと、未来の担い手・使い手の育成、伝統産業製品の生活回帰・定着の促進、作り手が行う伝統産業活性化支援など、さまざまな普及、啓発活動を行っています。
ウェブサイト:https://fpkti.or.jp/ -
錺金具
主に銅板を素材とし、昔ながらの手作業で文様を彫り、金箔やメッキなどで仕上げた金具で、神社や寺院などの建造物や御神輿、山鉾などで、装飾や補強に使用されています。錺金具は、京都市の伝統産業の「京都の金属工芸品」に含まれます。
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京表具
京都府内で生産される表具(掛軸・屏風・襖・額装など)を京表具と呼びます。鑑賞や保存を目的として書・絵画などや布で補強し、装飾を施して仕立てる伝統技術です。京表具は、京都市の伝統産業の一つです。
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唐紙
もとは唐から伝来した細工紙を唐紙と呼びましたが、のちに襖に使う紙を「から紙」と呼称するようになりました。神社仏閣や茶室などに利用され、その工程を伝統的な技術が継承されています。原材料の紙は、手すきの越前和紙や黒谷和紙などで、版木に和紙を置いて手のひらでこするので柔らかな味がでます。
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京仏具(漆塗り)
11世紀初頭に七条に「仏所」が設けられて以来、その歴史は千年以上にわたります。主に寺院の内装に利用されますが、家庭でも使うものもあり、仏具の種類は多岐にわたります。また、木工、金工など技術も多種多様ですが、「漆塗り」は黒色や朱色などの色に表面を塗り上げる工程です。
本件に関するお問い合わせ
〒615-8686 京都市右京区梅津高畝町47番地
公益財団法人日新電機グループ社会貢献基金 事務局