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大容量化した新型電源用計器用変圧器(PVT)を開発、インド初のPVTを用いたマイクロ変電所に設置 ~配電網の未整備地域を対象とする電力の安定供給実現に貢献~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:西村陽)は、大容量化した新型電源用計器用変圧器(Power Voltage Transformer:PVT)を開発し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下 NEDO)の助成を受け進めてきた実証研究の一環として、インド初のPVTを用いたマイクロ変電所に設置しました。

マイクロ変電所外観

新型PVT

 

【新型PVTの概要】

送電線を流れる電気は非常に電圧が高く、通常は変圧器を用い段階に分けて電圧を下げるための大規模な変電所を構築します。この時、送電線の電圧測定を目的に高電圧を低電圧に変換するのが計器用変圧器(VT)で、当社は60カ国以上、約4万台の納入実績があります。また、再生可能エネルギー(再エネ)発電用開閉所における制御電源の確保を目的に、高電圧を低電圧に変換する容量25kVAのPVTを2012年に開発、2016年より販売しています。

今回、未電化地域や配電網が未整備な地域が抱える電力インフラ設備導入のコストやスペース、環境面などの課題を解消したマイクロ変電所を構築するため、大容量の新型PVTを2024年10月に開発し、2025年6月、インドに初納入しました。

開発したPVTは電圧66kV~275kVまで対応可能で、最低200V系まで直接変換できます。従来PVTの出力容量25kVAに対し、新型は100kVAに大容量化しています。これにより再エネ普及拡大だけでなく、未電化地域への電力の安定供給にPVTの用途が拡大し、エネルギーをより多くの人に届ける社会基盤づくりに貢献できます。
大容量化にあたっては、温度上昇を抑えるためにコイル内で生じる損失をなるべく小さくする設計を行っています。

 

【マイクロ変電所の概要】

当社はNEDOの助成を受けて電力安定供給に向けた実証研究に取り組んでいます。マイクロ変電所を設置することにより、インドの北部や北東部といったルーラルエリアなど、送電線は敷設されていても配電網が十分に整備されていない地域にも、大規模な変電所を建設することなく、環境にも配慮した、費用対効果が高く安定的な電力を供給することを目指しています。

今後、PVTによって特別高圧送電線(66kV以上)から低圧電力(240V)を直接取得可能にするマイクロ変電所をデリー郊外の変電所に設置し、取得したデータを用いて環境適合性や電力供給の信頼度、電力品質の有効性、現地の負荷特性などを検証していきます。期間は2026年3月までを予定しています。

マイクロ変電所はPVTに加え、保護装置や開閉装置、避雷器、配電盤などで構成されます。PVTを用いることにより、100kVA程度(マイクロ変電所1カ所あたり50世帯~100世帯に供給可能と想定)の低圧電力を直接送電線から取得することができます。

本実証研究により、配電網の未整備地域や未電化地域に電力を安定供給する技術の確立と、同様の課題を抱えるインドの他地域や諸外国への展開につなげていきます。


当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます。本件は「環境配慮製品の拡大」「DXの製品・事業への適用」に寄与する事業活動の一つです。

当社グループは事業活動を通して、SDGsへの取り組みを強化しています。本件はSDGsの17の⽬標の内、下記の⽬標達成に関連する活動です。

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

参考

【用語解説】

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