蓄電池システム

625kVA交直変換器盤

蓄電池システムは蓄電池、パワーコンディショナ(PCS)、連系盤などによって構成され、エネルギー管理システム(EMS)などからの指令に応じて充放電するシステムです。施設や事業所での電力ピーク対策や系統停電時のバックアップ(自然災害によるレジリエンス対策)への活用、さらに太陽光発電と併設した場合は余剰電力対策(再エネ比率向上)に活用でき、持続可能な社会構築にも貢献します。
また近年、離島または限られたコミュニティの中で構築されるマイクログリッドへの活用や、新たに創設された需給調整市場や容量市場への活用なども始まっています。

当社システムの特長

蓄電池システムには用途に応じたシステム構築や運用(制御)が必要になります。
当社はパワーコンディショナをはじめ、系統連系設備、EMSなど、システム構築に関わるさまざまな製品の製造を行っており、お客様の多様なニーズにお応えしたシステムの仕様検討から設計、施工、アフターフォローまでトータルエンジニアリングが可能です。
また、多数の納入実績があり、リチウムイオン電池、レドックスフロー電池、NAS電池、ニッケル水素電池、鉛電池との組み合わせ実績があります。 お客様の用途、使用条件に応じて最適なシステムを提案します。

当社システムの仕組み

①工場、ビル、施設など電力需要設備に設置する場合

蓄電池設備単独または自家消費用太陽光発電設備と併設し、以下の用途に使用します。

1)電力ピーク対策(ピークカット)

  • デマンド削減による契約電力料金低減
  • 特高受電への契約変更回避

2)再エネ余剰電力対策

  • 休日などに生ずる余剰電力の有効活用

3)系統停電時のバックアップ

  • 系統停電時の操業継続(BCP)

②事業用太陽光発電所や離島の発電所に設置する場合

太陽光発電所等に併設し以下の用途に使用します。

1)再エネ発電の出力変動緩和

  • 電力会社の規定による出力変化率上限への対応

離島などで短周期の出力変動緩和対策が求められた場合、蓄電池で対応することができます。

2)太陽光発電出力のピークシフト

  • 系統側からの指令による出力制御への対応

出力制御ルールに基づく出力抑制への対応として、蓄電池によるピークシフトが有効となる場合があります。

3)P,Q制御による電力系統の安定化

  • 離島など小規模系統の周波数変動対策、需給調整

お客様のメリットとその概要

お客様 メリット 概要
需要家 電気料金低減 ピークカットによる基本料金低減
ピークシフトによる電力量料金の低減
設備の最適利用による収益化 供給余力のある蓄電池を活用し、ネガワットを販売
インセンティブ型デマンドレスポンスに参加
BCP 停電時に蓄電池からの電力を活用
自家消費再エネ発電有効活用 余剰電力を活用し再生可能エネルギー比率を向上
再エネ発電事業者 短周期変動抑制 小規模系統等、出力変化率に制約がある場合の出力変動を蓄電池の充放電により緩和
出力抑制回避 出力抑制が発動する場合、蓄電池等により需要を創出することで、再エネ発電を最大限に活用
小売電気事業者 電力調達 アグリゲーターが調達した電力[kW及びkWh]をJEPX(スポット市場、時間前市場)で取引
インバランス回避
送配電事業者 系統安定化 再エネの導入拡大により課題となった周波数調整及び需給調整
投資最適化 蓄電池の活用により、系統・変電所等の更新・増強を回避

主要設備

蓄電池用パワーコンディショナ(PCS)

蓄電池用PCSは、内蔵のコントローラまたは外部制御装置(EMSなど)の制御指令に基づいて蓄電池の充電・放電を行う電力変換装置です。当社の蓄電池用PCSは直流電圧範囲550~1000Vに収まるリチウムイオン電池などと組み合わせて蓄電池システムを構成します。 系統連系用の変圧器、屋外に設置する場合の屋外シェルターはオプションとなります。

蓄電池用パワーコンディショナ(PCS)
  • 内蔵のコントローラによるスケジュール運転またはピークカット運転
  • 外部機器(上位通信)からの充放電指令による運転
構造 屋内自立型
定格出力 625kVA
直流電圧 DCV550~1000V
交流電圧 三相3線340V
(外部設置の変圧器により6.6kVに昇圧)
変換効率 97%以上
(定格運転時、補機損は不含)
外形寸法
(幅・奥行・高さ)
2,100×950×2,050mm
(屋外用シェルターは不含)

納入実績

納入システム例

負荷平準化(ピークカット)システム

  • 負荷電力が目標契約電力を超過する場合、蓄電池から放電運転を行いピーク電力の抑制
  • 負荷電力が軽負荷時(夜間、休業日等)に蓄電池へ充電運転を実施
  • 停電時は、系統と切り離し後に自立運転により重要負荷に電力を供給
ー負荷平準化(ピークカット)システム

再生エネルギー余剰電力活用(再エネ比率向上)システム

  • 太陽光の発電電力が負荷電力を超過しそうになったら、余剰電力を蓄電池に充電し、逆潮流を防止
  • 高負荷時などに蓄電池から放電運転を行い、電池の充電量を適正なレベルに維持
  • 停電時は、系統と切り離し後に自立運転により重要負荷に電力を供給
再生エネルギー余剰電力活用(再エネ比率向上)システム

再生可能エネルギー独立電源システム

  • 太陽光発電で作られた電気を蓄電池に充電し、自然エネルギーを活用しながら、負荷機器へ安定的に電力給電
  • 通常時は負荷を商用系統と切り離して、再エネ100%独立電源として運用
  • 独立電源から供給できない場合は、商用系統に切り替えて給電
  • 高速切替で切替時の負荷への影響を低減
再生可能エネルギー独立電源システム

再エネ普及時の電力品質確保に向けた需給制御実証システム

  • 需給調整用として、蓄電池の充電量を管理しながら周波数偏差に応じたガバナフリー制御や充放電指令に応じた制御を実証
再エネ普及時の電力品質確保に向けた需給制御実証システム

短周期出力変動抑制

  • 蓄電池用PCSと太陽光用PCSを交流側で接続
  • 監視制御装置で発電電⼒・蓄電池残量データを基に充放電指令値を演算
短周期出力変動抑制

実績

住友電気工業株式会社 横浜製作所 様

住友電気工業株式会社
横浜製作所 様

レドックスフロー電池用

パワーコンディショナ(250kW) 2台

日新電機株式会社 前橋製作所

日新電機株式会社 前橋製作所

リチウムイオン電池システム(250kW-96kWh)

宮古空港ターミナル株式会社 様

宮古空港ターミナル株式会社 様

リチウムイオン電池システム(80kW-216kWh)

某事業所 様

某事業所 様

NAS®電池システム(600kW-4320kWh)

Q&A

A

蓄電池は他社製品となります。当社は蓄電池用のパワーコンディショナや受変電設備、エネルギーマネジメントシステムなど蓄電池以外の機器製造およびシステム構築などのエンジニアリングを提供しています。蓄電池採用にあたっては、社内で各種評価試験を行っています。

A

当社は1980年代から太陽光発電用パワーコンディショナを製造・販売しており、蓄電池用パワーコンディショナについても電力会社との共同実証事業などで1990年より納入実績があります。

A

太陽光発電と併せて導入する場合は「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」の補助金を活用できる場合があります。また地域マイクログリッド向けの蓄電池には「配電事業等の参入を見据えた地域独立系統構築支援事業」の補助金を、系統用蓄電池には「系統用蓄電池等導入支援事業」の補助金を活用できる場合があります。

納入事例

ピックアップ

宮古空港ターミナル株式会社

蓄電池用パワーコンディショナ 80kW

太陽光用パワーコンディショナ 100kW

監視制御装置 他

ナブテスコ株式会社

119kWh蓄電池盤(リチウムイオン電池)

三相3線 202V 100kW 双方向電源盤

屋外収納パッケージ

沖電気工業株式会社

100kWパワーコンディショナ(SOLARPACK100)

50kW蓄電池監視システム(リチウムイオン電池96kWh)

太陽電池(単結晶シリコン 497kW) 他

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