ニュースリリース
業界初 非常用発電機を通常活用し、ピークカットとBCPの両立!~当社独自の高速ハイブリッドスイッチを活用したシステムUPS®を開発~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤 成雄)は、このたび、当社独自開発の高速ハイブリッドスイッチや蓄電池設備と組み合わせて非常用発電機を通常活用することで、ピークカット(契約電力削減)と瞬低から長時間停電までのBCP(事業継続計画)を両立し、安定した電力供給を実現する業界初のシステム的なUPS(無停電電源装置)として、システムUPSを2018年3月に開発しました。
非常用発電機などを保有する工場などの顧客ニーズに対応するために、2018年4月より当社前橋製作所にて実証検証を進め2019年の実用化を目指しています。
1.背景
当社の前橋製作所では、東日本大震災以降、輪番停電を受けて非常用発電機を導入しました。輪番停電が早く収束したため、6年間未使用だった非常用発電機を有効活用し、契約電力削減のためのピークカットや雷などにより突然発生する系統事故時(瞬低や停電)も瞬断なく安定的に電力供給をすることができるシステムを考案しました。
2.システム構成
非常用発電機、蓄電池、蓄電池用パワーコンディショナ(BESS)、高速ハイブリッドスイッチの4つで構成。
高速ハイブリッドスイッチは、当社独自開発
一般の機械式スイッチは、通電損失は小さいが開閉時間が数10msecと長く、一方半導体スイッチは、開閉速度は速いが、通電損失が大きいという課題がありました。そこで、両方式のスイッチを組み合わせて、低損失化と高速切替を両立する高速ハイブリッドスイッチを独自開発しました。
・特長
低損失 | : | 通電損失ほぼゼロを実現。 機械式スイッチを介して負荷に電力供給することにより実現。 制御・補機電源の損失を含む待機損失は0.5%以下(従来比75%削減)。 |
高速切替 | : | 2msec以内を実現。 機械式スイッチの開閉動作をアシストする半導体スイッチをハイブリッド構成にすることにより実現。 |
3.実証検証
当社前橋製作所にて、食堂空調動力やEV用急速充電器への電力供給の実証検証を実施しています。(実証検証システムの定格:三相200V、100kVA)
検証項目
・ピ ー ク カ ッ ト | : | デマンドオーバーになりそうな時に、高速ハイブリッドスイッチが商用電力を切り離し、発電機と蓄電池で電力を安定供給。 |
・B C P の 実 現 | : | 瞬低・停電から災害時の長時間停電までを、発電機と蓄電池で補償。 |
・CO2排出量の削減 | : | 発電機や蓄電池をピークカットに活用することで、CO2排出量の削減を実現(改正省エネ法の算出法参考) |
【ご参考】
■用語解説
U P S | : | 「Uninterruptible Power Supply」の頭文字から、停電や瞬時電圧低下によって電源が突然断たれた際、コンピューターなどの機器や工場の設備に電力を供給し続けるための無停電電源装置の略称として用いられている。 |
輪 番 停 電 | : | 電力需要が電力供給能力を上回ることによる大規模停電を避けるため、電力会社により一定地域ごとに電力供給を順次停止・再開させることである。 |
改正省エネ法 | : | 「電気の需要の平準化の推進」として、需要家側における対策が平成26年4月1日施行。「省エネ法の改正について」(平成26年4月1日 資源エネルギー庁省エネルギー対策課) 【需要家が、従来の省エネ対策に加え、蓄電池や自家発電の活用などにより、夏季・冬季の昼間の電気の使用量を削減する取り組みを行った場合に、取り組みを行った事業者が省エネ法上の不利な評価を受けないよう、これをプラスに評価できる体系にする。これにより、我が国の電気の需要の平準化の推進を図る。】 と記載されており、その具体的な評価法として、 【・・・電気需要標準化時間帯における電気使用量を削減した場合、これ以外の時間帯における削減よりも原単位の改善率への寄与が大きくなるよう、電気需要平準化時間帯の電気使用量を1.3倍して算出するもの。・・・】 と解説されており、ピークカットによる省エネ効果をCO2排出量削減効果として換算評価できる。 |
■参考資料
[本件に関するお問い合わせ]
〒615-8686 京都市右京区梅津高畝町47番地
日新電機株式会社 経営企画部広報グループ (075)864-8849