2018.08.23
下水処理場の省エネルギーと維持管理の効率化を実現 ~ エネルギー管理システム「ENERGYMATE®-Water」を開発 ~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)と当社連結子会社である株式会社日新システムズは、日本下水道事業団との共同研究により、アンモニアセンサを用いて下水処理場のアンモニア性窒素濃度などを計測して制御する技術と、IoTで晴天日に下水処理場の流入水量などを予測する技術を2018年3月に開発・確立しました。京都府内の浄化センターで実規模実証と評価を行い、SPSS®-Water(水処理向け)のソリューションの一つとして、エネルギー管理システム「ENERGYMATE-Water(エネルギーメイトウォーター)」を製品化し、9月より発売を開始します。本システムで2020年度までに累計受注10億円を目指し、下水処理場の省エネルギーの実現と維持管理の効率化に寄与します。

さらに、当社独自で、雨天日の流入水量をAIで予測する技術を確立し、製品化に向けて検証を進めています。

 

【システム構成】


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【システムの特長】

1.アンモニアセンサを用いた制御と晴天日における流入水量などを統計的手法で予測する技術

日本下水道事業団との共同研究。
当社のエネルギー管理システム「ENERGYMATE-Water」に実装しました。
下水処理場では、水を浄化するために、多くの風量(電気)を使用しています。運転員の経験と勘で制御していたため、浄化のための適正な風量を制御できない状況にありました。アンモニアセンサで汚水を連続計測することで、適正な風量で制御することができ、処理水質を維持したまま省エネルギーの実現が可能です。
本システムでは、過去の水処理運転の実績データと気象予報データから流入水量などを予測することで、揚水ポンプの最適運転により流入水量などを平準化させ、維持管理の効率化を達成する技術を開発しました。

2.雨天日における流入水量をAIで予測する技術  ※当社独自開発

雨天日、下水処理場の流入水量は降雨の影響を受けて維持管理業務を困難にしていました。AIを用いて過去の実績データや気象データから流入水量を予測することが可能となり、雨天日でも維持管理の効率化に寄与する技術を確立しました。

 

【システム導入のメリット】

1.省エネルギーの実現

適正な風量制御と流入水量などの平準化による風量変動を抑える効果で、晴天日において従来の運転と比較して15%程度の風量削減が期待でき、送風機にかかる電気代の削減に貢献します。

2.維持管理の効率化

下水処理場の運転は、流入水量などを予測するために豊富な経験を必要としますが、本システムによる流入水量などを予測し揚水ポンプの運転計画が作成されるため、経験の少ない運転員の作業負担の軽減が期待できます。

 

<ご参考>

■用語解説

・SPSS

Smart Power Supply Systemsの略です。当社の中核製品である受変電設備や、長年培った系統連系技術を駆使し、多様な分散型電源を組み合わせて省エネと電力の安定供給を実現するソリューションです。

・SPSS-Water

Smart Power Supply Systems-Waterの略です。SPSSの水処理向けのソリューションです。

・アンモニアセンサ

アンモニア性窒素を測定できるセンサ

・アンモニア性窒素

窒素の各種化合物のうちアンモニアあるいはアンモニウム塩として存在する窒素

・ENERGYMATE-Water

上下水道向け監視制御装置の機能の内、エネルギー管理を行う機能

 

■関連リンク

SPSS-Water: https://nissin.jp/product/spss/water/index.html

株式会社日新システムズ: https://www.co-nss.co.jp/

 

 

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