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新型コーティング装置をラインアップ~iDS®シリーズで2021年度以降売上10億円/年を目指す~

日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)のグループ会社で自動車部品、金型、工具などのコーティング受託加工およびコーティング装置の製造販売を行う日本アイ・ティ・エフ株式会社(本社:京都市南区、社長:大原久典)は、大型の金型や多数の小型部品を大量に搭載できるなど量産性を高めたコーティング装置「iDS-720」を2020年6月に開発し、iDSシリーズをラインアップしました。7月1日より発売を開始しています。

 

2010年以降、コーティング装置の高性能化(膜の平滑性向上、サイクルタイムの短縮、材料コストの低減)を図り、2014年に真空中でアーク放電を利用して硬質薄膜を成膜する新型アークイオンプレーティング装置「iDS-500」を発売しました。その後2017年にシリーズの最大モデルとなる「iDS-1000」、2018年に最小モデルとなる「iDS-mini」を開発しました。

今回、ラインアップ化の最後のモデルである「iDS-720」を開発し、iDSシリーズの主要装備であるステアワン蒸発源や、高排気速度真空ポンプを備え、コーティングゾーンを直径720mm×高さ800mmとしました。約700kgの基材搭載が可能であり、大型の金型や多数の小型部品を大量に搭載できるなど量産性を高めました。金型や機械部品(自動車生産用のプレス金型や、エアコンのコンプレッサー部品、製造設備などの各種回転軸)市場へ展開を図っていきます。

 

【iDSシリーズの特長】

高性能化のポイントは、金属材料を蒸発させる部分であるアーク蒸発源にあります。コーティングをする際、アーク放電によって金属材料が溶けすぎて、ドロプレットと呼ばれる粗大な粒子が飛び出し、膜が粗くなる現象が起きます。当社は独自構造(ステアワン蒸発源)である、永久磁石をモーターで回転させ、アーク放電が起こるスポットを絶えず動かすことで、金属材料の溶けすぎを防止しました。これにより、平滑な硬質薄膜の成膜を実現しました。

また、円板形状である金属材料を大口径化(直径(φ)160mm)したことで、材料コストを従来装置に比べて2~5割低減しました。さらに、アーク方式だけでなくスパッタ方式の蒸発源も搭載できる構造にしました。

その他、高出力のヒーターや、排気速度の高い真空ポンプなどの使用により、サイクルタイムが従来装置よりも約4割短縮できました。

 

日本アイ・ティ・エフでは、2021年度以降iDSシリーズで10億円/年の売り上げを目指します。

iDS-720

iDS-720

 

参考資料

・iDSシリーズラインアップ一覧

iDSシリーズラインアップ

 

・日本アイ・ティ・エフ株式会社の概要

名  称 日本アイ・ティ・エフ株式会社
代  表  者 代表取締役社長 大原 久典
所  在  地 京都市南区久世殿城町575番地
設  立 1985年
資  本  金 310百万円
出  資 日新電機株式会社:51%、住友電気工業株式会社:49%
事業内容 セラミックコーティングの受託加工および各種薄膜コンサル業務成膜装置製造販売
従業員数 179人(2020年3月末時点)

【用語解説】

・アーク蒸発源

チタンなどの金属材料の表面でアーク放電を起こし、金属を蒸発させて成膜する装置の金属材料を載せた部分

 

・スパッタ方式の蒸発源

チタンなどの金属材料の表面でグロー放電を起こし、金属をたたき出して成膜する装置の金属材料を載せた部分

 

【関連リンク】

日本アイ・ティ・エフ株式会社:https://nippon-itf.co.jp/index.shtml

薄膜コーティング装置:https://nissin.jp/product/beam/fc/index.html

 

 

[本件に関するお問い合わせ]

〒615-8686 京都市右京区梅津高畝町47番地
日本アイ・ティ・エフ株式会社 装置部  (075)864-8349

 

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