ニュースリリース
産業向け中央監視制御システム「FACTMATE®-s1 EX」販売開始 ~監視情報量増加と保存期間延長でデータを活用した監視制御の利便性向上~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:松下芳弘)は、オフィスビルや工場などの電力機器の運用管理を行う産業向け中央監視制御システムについて、従来品に比べ監視機能を充実させた「FACTMATE-s1 EX(ファクトメイト・エスワン イーエックス)」を新開発・販売を開始し、3月に初号機を納入しました。
当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます。本件は「DXの製品・事業への適用」に寄与する事業活動の一つです。
当社は、2012年より産業向け中央監視制御システムとして、従来品である「FACTMATE-s1」を400システム以上納入してきました。近年では受変電設備の監視だけでなく、DX加速の中で周辺設備情報の取り込みや、さらなる省エネ・節電のニーズが高まっており、これらのニーズに対応するため、管理点数拡大、監視画面・帳票機能拡張による監視情報量増加と、データ保存期間延長などの機能拡充を図った「FACTMATE-s1 EX」を開発しました。
本製品は当社が推進している電力エネルギー活用ソリューションSPSS(Smart Power Supply Systems:スマート電力供給システム)の中核となる製品です。脱炭素化や持続可能な社会の実現などエネルギー問題が多様化するなか、受変電設備に加えて、太陽光発電・コージェネレーションシステムなどの自家発電設備や蓄電池などを総合的に運用管理し、電力の安定供給と省エネ・省コストを実現します。エネルギーの地産地消・災害時の電力供給として注目の集まっているマイクログリッド構築にも本製品が適用可能です。
また、本製品に加え、予測による自動制御機能などを持つエネルギー管理システム「ENERGYMATE-Factory」をシステム構成に組み込むことで、自己託送・VPP制御などの電力需給制御にも貢献します。
今後、産業向け中央監視制御システムは「FACTMATE-s1 EX」を標準製品として位置付け、23年度で8億円の受注を目指します。
【主な機能拡充項目】
1.管理点数拡大
取り込める管理点数を従来の約3倍に拡大。これにより受変電設備だけでなく、サブ変電設備や空調や照明といった施設設備など、周辺設備の情報も取り込み可能となりました。幅広いデータを本システムに集約することで管理・制御しやすく信頼性の高い設備構成となり、きめ細かい監視や情報確認を実現しています。
2.監視画面・帳票機能拡張
管理点数拡大による表示やデータ保存項目の増加に対応するため、監視画面は従来の約3倍である299枚、帳票は6倍以上となる200枚まで対応できるよう機能を拡張しました。監視画面枚数増加に加え、4画面表示による表示情報量の拡大と合わせ、利便性の高い監視制御操作を実現しています。
また、30分ごとの値を記録する方式としたことで、より細かい使用状況の分析によりエネルギー活用を見直しでき、省エネ・節電にもつながるなど、統計データの活用範囲が広がります。
3.データ保存期間延長
監視装置内部でデータ(トレンドデータ、デマンド実績データ)を保存・表示する期間を、前年同月のデータと比較分析ができるよう3カ月から13カ月に延長しました。また、帳票データを再収集できる期間も、最大2日間であったものを最大11日間に延長し、大型連休後でも帳票データ収集ができるようにしました。
その他にも各種機能について更新を行っております。
【監視画面例】
【仕様概要】
項目 | 仕様 | |
---|---|---|
管 理 点 数 | ・接点入力(状態・故障) :最大8448点 ・パルス入力(計量) :最大3072点 ・アナログ入力(計測) :最大2400点 ・接点出力(重要負荷制御):最大2048点 ・接点出力(一般負荷制御):最大1024点 |
|
グラフィック画面枚数 | ・最大299枚 | |
大型画面 | ・最大10枚 | |
帳 票 枚 数 | ・日報:200枚、月報:200枚、年報:200枚 | |
保存期間 | 帳 票 | ・5カ年分(日報、月報、年報) |
メッセージリスト | ・1年分(最大10,000件/日) | |
トレンドグラフ | ・13カ月分(1秒周期) ※外部保存時は1分周期データ | |
デマンド実績グラフ | ・1年分(毎時限) | |
機器構成 | 中央装置 | ・FA仕様PC |
入出力装置 | ・汎用PLC |
|
<参考>
【システム展開イメージ】
監視制御システムにより受変電設備だけでなく発電機、蓄電池などを総合的に運用管理します。
また、当社が提供するコンパクト化と短工期を実現した次世代変電所「Advanced-XAE(A-XAE)変電所」に組み込むことにより、自己託送やVPP制御なども含め電力需給制御の安定かつ効率的な運用を実現します。
※自己託送やVPP制御には追加でエネルギー管理システム「ENERGYMATE-Factory」が必要です
Advanced-XAE変電所への組み込みシステム例
自己託送のシステム概要(クリックで拡大) | VPP制御のシステム概要 |
【用語解説】
・6つの成長戦略
「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」「DXの製品・事業への適用」「新興国環境対応需要の捕捉」「EV拡大に伴う事業拡大」
・中央監視制御システム
電力機器の監視・制御を行い、安全・安心に設備を運用いただくためのシステム。状況の見える化のほか、省エネルギーや節電などの効率的なエネルギー活用にも貢献します。
・サブ変電設備
大規模施設などにおいて、電力系統から電力を受電する特高受変電設備(特高変電所)とは別に、特高受変電設備で配電された電力を受け取って特定の建物やフロアの電力をつくるために設けられるものです。
・SPSS®(Smart Power Supply Systems)
当社の中核製品である受変電設備や、長年培った系統連系技術を駆使し、多様な分散型電源を組み合わせて省エネと電力の安定供給を実現するソリューションです。
・Advanced-XAE®変電所
世界最小クラスのガス絶縁開閉装置など機器構成に最新のコンパクト機器を組み合わせることにより、変電所全体のコンパクト化と短納期を実現した、当社の提供する次世代変電所です。
・VPP(Virtual Power Plant)
従来、主に火力発電所の稼動・停止等、「供給側」で行ってきた電力 の需給調整について、電力系統に点在する需要家の機器をIoT 化し、一括制御することで、需要家設備から捻出できる需給調整力を有効活用し、あたかも1 つの発電所(仮想発電所)のように機能させる仕組みです。
【関連リンク】
ビル・産業向け監視制御システム: https://nissin.jp/product/build/index.html
[本件に関するお問い合わせ]
こちらのフォームよりお問い合わせください
ニュースリリース一覧に戻る