ニュースリリース
鈴鹿市稲生山蓄電所向け系統用蓄電システムを受注 ~全市場対応の制御技術で再エネの有効活用と電力系統の安定化に貢献~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:西村陽)は、株式会社三商(本社:三重県鈴鹿市、会長:鈴木孝)が三重県鈴鹿市に整備する高圧系統用蓄電所「鈴鹿市稲生山蓄電所」向けの系統用蓄電システムを受注しました。運用開始は2026年6月を予定しています。
本蓄電所は、電力会社の6.6kV配電線に接続され、アグリゲータにより、容量市場や需給調整力市場などで運用される予定です。特に需給調整力市場においては、一次調整力・二次調整力・三次調整力全てに対応します。電気は貯めにくく、需要と供給のバランスが崩れると停電などのリスクが生じます。これらの運用により、電力系統の安定性を確保するとともに、再生可能エネルギー導入促進に寄与すると期待されています。
同蓄電所の送電端(電気を送る起点)における有効電力の総出力は1895kW、蓄電池容量(定格)は8147kWhです。
【受注したシステム一式】
- 蓄電池用パワーコンディショナ:2500kVA(定格)
- 蓄電池キャビネット:8147kWh(定格)
- 系統連系用変圧器:2500kVA
- 蓄電池制御装置:1台
【特長】
- 全市場対応:アグリゲータの運用指令により、容量市場、需給調整力市場、卸市場の全市場において対応が可能
- 高精度な需給調整:需給調整力市場においては、特に高度な「一次調整力」を含む全調整区分(一次・二次・三次)に対応が可能
- 柔軟な搬入性:キャビネットタイプの蓄電池の採用により、狭い道路など制限のある場所でも容易に搬入が可能
再生可能エネルギーの導入拡大により、電力の供給が不安定になる場面が増えると見込まれています。これに伴い、電力需給のバランスを調整し、電力の安定供給を支える「系統用蓄電所」の重要性が高まっています。当社は、こうした蓄電所向けに系統用蓄電システムを積極的に水平展開するとともに、大規模案件にも対応できる体制を強化しています。今後も、本システムの導入拡大を通じて、再生可能エネルギーの有効活用と電力系統の安定化に貢献していきます。
当社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいます。本件は「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」に寄与する事業活動の一つです。
当社グループは事業活動を通して、SDGsへの取り組みを強化しています。本件はSDGsの17の⽬標の内、下記の⽬標達成に関連する活動です。
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
参考
【用語解説】
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株式会社三商
1984年設立。食品製造・販売や不動産、環境事業など幅広く展開し、全国に拠点を持つ企業。
ウェブサイト
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系統用蓄電所
電力の需給バランスを保つために、電力系統に接続される大型蓄電所。主に蓄電池と制御装置、電力変換設備などで構成される。
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アグリゲータ
複数のエネルギーリソース(発電・蓄電・需要)をまとめ、電力需給の調整役を担う事業者。
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容量市場
将来の電力供給力を確保するため、一定の供給力を事前に確保・取り引きする市場。
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需給調整力市場
電力の需給バランスをリアルタイムや短時間で調整するための市場。
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卸市場
発電事業者が発電した電気を電力小売会社やアグリゲータなどが購入するための市場。
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6つの成長戦略
「環境配慮製品の拡大」「分散型エネルギー対応」「再生可能エネルギー対応」「DXの製品・事業への適用」「新興国環境対応需要の捕捉」「EV拡大に伴う事業拡大」