ニュースリリース
油入機器に生分解性電気絶縁油を適用 ~技術力を活かした環境配慮製品で環境負荷低減を推進~
日新電機株式会社(本社:京都市右京区、社長:齋藤成雄)は、環境に配慮し、生分解性が高く、魚毒性の低い電気絶縁油を、当社が製造販売している全ての油入機器(コンデンサ、計器用変成器、リアクトル、変圧器)に対し適用します。生分解性電気絶縁油として、コンデンサと計器用変成器には「LI-B1油」を、リアクトルと変圧器には「菜種油」を適用し、2020年11月より受注を開始します。
電力機器で用いられる電気絶縁油は、長期信頼性の観点から安定していて、分解されにくく、高い絶縁性能を有する石油由来の芳香族炭化水素を主成分とした絶縁油が使用されてきました。しかし、大規模災害や万が一の事故によって電力機器が破損し、油が漏れた場合、土壌や河川、海洋、地下水の環境汚染と生態系への影響が懸念されていました。そこでバクテリアなどによって分解されやすく、生態系に安全な絶縁油への切り替えが求められています。近年、変圧器ではパームヤシ脂肪酸エステル油や菜種油、大豆油など生分解性に優れ、生態系への影響が小さい絶縁油の使用事例が増えており注目されています。当社は生分解性電気絶縁油である植物由来のパームヤシ脂肪酸エステル油を適用した変圧器の開発、製品化を2014年に行っております。
今回、これまで難しかったコンデンサ用の電気絶縁油としての性能も満足し、かつ、生分解性にも優れ、生態系への影響も小さい新たな電気絶縁油「LI-B1油」を、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社(本社:東京都墨田区、社長:吉武治)と2019年に共同開発、エコマーク認定を取得(認定番号:16 110 001)しました。この新しい油の開発により、油入機器全てで生分解性電気絶縁油での提供が可能となりました。
【LI-B1油の特長】
・従来の電気絶縁油と同様に優れた絶縁性能を有する
・生分解性に優れ、28日で75%以上分解(OECD301F試験による)
・生態系への影響が小さい
当社は今後も、環境配慮製品の開発に注力するとともに環境にやさしい製品の普及に努め、特色ある製品で環境負荷低減を推進していきます。
開発した絶縁油を適用した油入機器の製品化を進めていきます
参考資料
【用語解説】
・エコマーク
生産から廃棄までのライフサイクルを全体通し、環境への負荷が少なく、 環境保全に資する商品を認定し、表示する制度
【関連リンク】
電力用コンデンサ: https://nissin.jp/product/electric/capacitor/index.html
計器用変成器: https://nissin.jp/product/electric/vt/index.html
直列リアクトル: https://nissin.jp/product/electric/ser/index.html
変圧器: https://nissin.jp/product/electric/tr/index.html
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